前置詞in favour ofの奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語には一見して分かりにくい前置詞や表現が数多く存在します。その中でも「in favour of」は、特定の立場や選択を支持する場面や、何かを他のものと交換・切り替える文脈でよく使われる重要な表現です。本記事では、「in favour of」の使い方を2つの視点から詳しく掘り下げ、例文とともにそのニュアンスや使い方のコツを丁寧に解説します。
使い方1:〜を支持して、〜に賛成して
例文と解説
「in favour of」は、ある人物や意見、提案などを「支持する」「賛成する」という意味で使われる非常に一般的な表現です。ニュースや討論、投票、政治、教育など、さまざまなフォーマルまたは準フォーマルな文脈で登場します。
例文1:
He argued in favour of a strike.
彼はストライキを支持する立場で議論した。
例文2:
There were 247 votes in favour (of the motion) and 152 against.
その動議には247票の賛成票と152票の反対票があった。
例文3:
Most of the ‘don’t knows’ in the opinion polls came down in favour of the Democrats.
世論調査の「わからない」と答えた人のほとんどが、最終的に民主党を支持した。
この表現は、行動の「理由」や「立場の明確化」にも使われるため、特に説得力を持たせたい文章や発言に適しています。
補足:この「in favour of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
以下のような語句とともに使用されることが多く見られます。
- vote in favour of 〜(〜に賛成票を投じる)
- argue in favour of 〜(〜を支持する論を述べる)
- come down in favour of 〜(最終的に〜に賛成する)
- be all in favour of 〜(全面的に〜を支持する)
これらはどれも意思や意見を明確に表現する際に有効な構文です。政治や教育、ビジネス分野の英語でも頻出するため、覚えておくと表現の幅が広がります。
まとめ
「in favour of」は、賛成・支持の意図を示す上で非常に便利な表現です。形式ばった表現でありながら、会話や新聞記事、学術的な文章にもよく登場します。支持する対象が人物であれ、意見であれ、このフレーズを用いることで、あなたの立場を明確に、かつスマートに伝えることが可能になります。
使い方2:〜の代わりに、〜を選んで
「in favour of」は、あるものを他のものと交換したり、優先的に選んだりするという意味でも使われます。この場合は、最初にあった選択肢や行動をやめて、別のものに切り替えるニュアンスを含みます。特にキャリアの選択や趣味、生活習慣の変更など、人生の転換点に関わる場面でよく用いられます。
この用法では、単に「好む」という意味を超えて、「結果として〜を選んだ」という行動的な判断が伴います。そのため、書き手や話し手の意志や価値判断が色濃く反映されるのが特徴です。
例文と解説
例文1:
He abandoned teaching in favour of a career as a musician.
彼は音楽家としてのキャリアを選ぶために、教師の仕事を辞めた。
例文2:
Early in his musical career, he abandoned blues in favour of jazz.
音楽活動初期に、彼はブルースをやめてジャズに転向した。
このように「in favour of」は、「捨てる対象」と「選ぶ対象」をセットで使います。文法的には「abandon(捨てる)+A in favour of B(Bを選ぶためにAを捨てる)」のような構文が典型的です。
この表現は、人やアイデアだけでなく、「ジャンル」や「方法」など抽象的な選択肢にも使うことができます。
補足:この「in favour of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
「in favour of」のこの用法では、以下のような動詞や名詞とセットで使われることが多いです:
- abandon A in favour of B(AをやめてBに切り替える)
- switch to A in favour of B(Bを選んでAから切り替える)
- give up A in favour of B(AをあきらめてBを選ぶ)
- opt for A in favour of B(Aを選んでBをやめる)
例:
She gave up her city life in favour of a quiet country existence.
彼女は静かな田舎暮らしを選ぶために、都会生活をあきらめた。
これらのフレーズは、ある種の「対比」を作る際に非常に効果的で、感情的なニュアンスも込めやすいため、エッセイやストーリーテリングでも重宝されます。
まとめ
「in favour of」は、「AをやめてBを選ぶ」という文脈で使われることで、選択の意図や理由を明確に伝えることができます。人生の大きな選択や価値観の転換を表現する際に、このフレーズを用いることで、単なる「好き・嫌い」ではなく、意志の強さや方向性を伴った表現が可能になります。
この記事を書いた人

- イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。