前置詞intoの奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語の前置詞「into」は、単に「中へ」という意味だけでなく、多様な文脈で使われる奥深い表現です。物理的な動作を示すときもあれば、抽象的な変化や感情、時間の流れ、数の割り算に至るまで幅広く登場します。本記事では、「into」の使い方を例文とともに詳しく解説していきます。


使い方1:位置や方向を表す「中へ」「〜の中に」

前置詞「into」は最も基本的な意味として、「ある場所の中に入っていく」動きを表します。この用法は、物理的に中に入るという意味で、動作の方向性を強調する時に使われます。「in」との違いとして、「into」は「動きがある」ことが重要です。「in」は静止した状態を示すのに対し、「into」は何かが動いてその中に入るというプロセスを表します。

この「into」の用法は、英語学習者にとって非常に重要な基本でありながら、時に見過ごされがちです。動詞とセットで使われることで、「〜の中に入っていく」というシーンを明確に描写する力があります。


例文と解説

Come into the house.
家の中に入ってきて。
→「come(来る)」という動作が、「the house(家)」という空間の「中」に向かっている様子を示しています。

She dived into the water.
彼女は水の中に飛び込んだ。
→「dived」は「飛び込む」という動作で、「into the water(水の中)」がその目的地を示しています。

He threw the letter into the fire.
彼は手紙を火の中に投げ込んだ。
→動作「threw(投げた)」が、「fire(火)」という場所へ向かっています。静的な「in the fire」ではなく、動的な「into」が使われています。

She turned and walked off into the night.
彼女は振り返り、夜の中へと歩いていった。
→比喩的な表現として、「夜」という抽象的な空間の中に消えていく様子を描いています。

The ball rolled into the street.
ボールが通りに転がっていった。
→ここでも動きがあり、ボールが「通り(the street)」という空間の中に進入していく様子を示しています。


補足:この「into」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この用法の「into」は、動作を示す動詞と非常に相性が良く、特に「動きが伴う動詞」との組み合わせが多く見られます。

よく使われる動詞とのセット例:

  • come into(〜の中に入ってくる)
  • go into(〜の中に入っていく)
  • jump into(〜に飛び込む)
  • throw into(〜に投げ入れる)
  • fall into(〜に落ちる)

よく使われる名詞とのセット例:

  • into the room(部屋の中に)
  • into the box(箱の中に)
  • into the car(車の中に)
  • into the river(川の中に)
  • into the darkness(闇の中へ)

このように、「into」は「どこへ向かって動くか」を明確にする前置詞であり、動きのあるシーンで非常に重宝される語です。物理的な場所だけでなく、比喩的な空間(night, darkness, futureなど)にも用いることができるため、表現の幅が広がります。

使い方2:変化・状態の変化を表す「〜に変わって」「〜の状態になる」

前置詞「into」は、「ある状態から別の状態へ変わる」「〜に変化する」といった意味を持つことがあります。この用法では、物理的な空間の「中」ではなく、抽象的な状態への変化が強調されます。

「turn」「translate」「develop」「grow」「morph」など、変化を表す動詞とよくセットで使われます。この構文をマスターすることで、英語での説明能力が格段にアップします。


例文と解説

The fruit can be made into jam.
その果物はジャムにすることができる。
→「make into」で「〜に変える」という意味。素材(fruit)が製品(jam)へ変化することを示しています。

She turned her hobby into a successful business.
彼女は趣味を成功したビジネスに変えた。
→「turn A into B」という定型表現で、「AをBに変える」という意味です。

They came into power in 2023.
彼らは2023年に政権を握った。
→「come into power」は「権力を握るようになる」、つまり「状態の変化」を表します。

She was sliding into depression.
彼女はうつ状態に陥りかけていた。
→「slide into」は、「徐々に〜の状態になる」という意味で、否定的な変化によく使われます。

Can you translate this passage into German?
この文章をドイツ語に翻訳してもらえますか?
→言語の変換、つまり「変化」を表しており、「translate into」が使われています。


補足:この「into」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この変化を表す「into」は、特定の動詞との相性が抜群です。以下の動詞とよくセットで使われます。

よく使われる動詞とのセット例:

  • turn into(〜に変わる)
  • make into(〜に作り変える)
  • develop into(〜に発展する)
  • grow into(〜に成長する)
  • translate into(〜に翻訳する)
  • morph into(〜に変形する)

よく使われる名詞とのセット例:

  • into a business(ビジネスに)
  • into a problem(問題に)
  • into a solution(解決策に)
  • into another language(他の言語に)
  • into power(権力の座に)

この用法を理解することで、英語の文の構造や表現の幅を飛躍的に広げることができます。抽象的な変化や過程を描写するには欠かせない前置詞です。


使い方3:時間の進行・継続を表す「〜の期間に入って」

「into」は時間の経過を示すときにも使われます。特に「into the night」「into the next day」などの形で、ある行動が時間を超えて続いたことを表現します。

このように「into」は「物理的な中」だけでなく、時間的な区切りや範囲に踏み込むことも意味する、多機能な前置詞です。


例文と解説

She carried on working late into the night.
彼女は夜遅くまで働き続けた。
→「into the night」で「夜の時間帯に入っても続く」ことを表しています。

He didn’t get married until he was well into his forties.
彼は40代も半ばを過ぎてから結婚した。
→「into his forties」で、「40代の中に入り込んでいる」=「40歳を超えている」ことを意味します。


補足:この「into」はどんな言葉とよく組み合わさる?

よく使われる句や表現:

  • into the night(夜にかけて)
  • into the early hours(夜明け近くまで)
  • into next week(来週まで)
  • into the future(未来へ向けて)
  • into the morning(朝まで)

この使い方では、時間の「中」に入り込む感覚を持つと理解しやすくなります。行動の継続性や粘り強さを表現するのにも効果的です。

使い方4:接触や衝突を表す「〜にぶつかる」「〜に突っ込む」

「into」は、物体が他の物体に物理的に接触・衝突する場面でもよく使われます。この用法では「ぶつかる」「突っ込む」「激突する」など、動きの終点が他の対象に接触するというイメージがキーワードです。

「crash」「bump」「run」「slam」など、衝突に関連する動詞と組み合わせてよく登場します。


例文と解説

The truck crashed into a parked car.
そのトラックは駐車中の車に衝突した。
→「crash into」は典型的な衝突を表す表現で、ニュースなどでも頻出です。

He bumped into an old friend on the street.
彼は通りで旧友にばったり出会った。
→「bump into」は、物理的な衝突のほか、「偶然出会う」という比喩的な意味でも使われます。

She ran straight into the glass door.
彼女はガラスのドアに真正面からぶつかった。
→「run into」は、「偶然出会う」「ぶつかる」の両方の意味を持つフレーズです。

The bird flew into the window.
鳥が窓に飛び込んできた。
→「fly into」は、飛んで物にぶつかるシーンを描写する際に使われます。


補足:この「into」はどんな言葉とよく組み合わさる?

よく使われる動詞とのセット:

  • crash into(激突する)
  • bump into(ぶつかる/偶然会う)
  • run into(突っ込む/出くわす)
  • slam into(激しくぶつかる)
  • drive into(車で突っ込む)
  • fly into(飛び込む)

よく使われる名詞とのセット:

  • into a wall(壁に)
  • into a car(車に)
  • into a person(人に)
  • into a door(ドアに)
  • into a tree(木に)

この「into」は動きとその結果(衝突)をセットで描く際に非常に便利な前置詞です。事故や驚きの場面など、動的な描写に欠かせません。


使い方5:調査・関与・関係性を示す「〜に関して」「〜について」

抽象的な文脈で「into」が使われると、「〜について深く入る」「〜に入り込んで調査する・関心を持つ」といった意味になります。情報・話題・調査対象に踏み込むイメージを持ちましょう。

「look into」「inquiry into」「investigation into」などの形でよく見られます。


例文と解説

The police have launched an investigation into the incident.
警察はその事件に関する調査を開始した。
→「investigation into」で「〜に対する調査」という意味。

There will be an inquiry into safety procedures.
安全手順についての調査が行われる予定です。
→「inquiry into」で「〜に関する調査」。

We need to look into the matter more closely.
その件についてもっと詳しく調べる必要がある。
→「look into」は「調べる、詳しく見る」という意味で日常的に使われます。


補足:この「into」はどんな言葉とよく組み合わさる?

よく使われる名詞とのセット:

  • investigation into(〜に対する調査)
  • inquiry into(〜に関する調査)
  • research into(〜に関する研究)
  • probe into(〜に関する捜査・調査)

よく使われる動詞とのセット:

  • look into(〜を調べる)
  • delve into(〜を深く掘り下げる)
  • dig into(〜を掘り下げて調べる)

ニュース記事や学術的な文脈でもよく登場するので、フォーマルな英語表現を強化したい方には特に重要な使い方です。


使い方6:数値や数学における「〜で割る」

最後にやや特殊な用法ですが、「into」は数学の割り算においても使われます。これは主に英語圏の初等教育でよく使われる表現で、「A into B is C」で「AでBを割るとCになる」という構文です。


例文と解説

3 into 24 is 8.
24を3で割ると8です。
→「into」は「割る数」と「割られる数」の関係を示す少し古風な表現ですが、教育現場や教科書などではいまだによく使われています。


補足:この「into」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この用法では、主に数字同士の関係でのみ使われ、特定の単語とのコロケーションはありません。ただし、次のように用いることができます:

  • 5 into 20 is 4(20 ÷ 5 = 4)
  • 6 into 42 goes 7 times(42 ÷ 6 = 7)

学術的な数学の文脈よりも、会話的な説明や初等教育での「割り算の言い換え」としてのニュアンスが強いです。

この記事を書いた人

いぎリス
いぎリス
イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。