前置詞likeの奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語学習者にとって、一見シンプルに見える前置詞「like」ですが、実は多様な文脈で使われ、微妙なニュアンスの違いを持つ表現力豊かな単語です。この記事では、Oxford Learner’s Dictionariesの定義をもとに、実際の例文を交えて「like」の使い方を徹底的に解説していきます。


使い方1:類似を示す「〜のような」「〜に似ている」

「like」はもっとも基本的な使い方として、「〜のような」「〜に似ている」といった、類似や比較の意味を持つ前置詞として機能します。人や物、音、味など、さまざまな対象に対して似ていることを表現できます。これは、英語学習の初期段階からよく目にする用法ですが、文の中でどのように自然に使われているかを把握することが大切です。

この用法は、外見や行動、性格、さらには抽象的な感覚に至るまで、多岐にわたって応用できます。英語圏の会話では非常に頻繁に登場するため、ニュアンスの違いに注意しながら習得しましょう。


例文と解説

She’s wearing a dress like mine.
彼女は私のと似たドレスを着ている。
👉「like mine」は「私のもののような」と訳せる部分で、外見の類似性を表します。

He’s very like his father.
彼はお父さんによく似ている。
👉 人物の性格や行動が似ているときにもこの用法が使えます。

It tastes rather like chicken.
それはどちらかというとチキンのような味がする。
👉 味覚などの感覚的なものにも「like」は使えます。

That sounds like him coming now.
あれは彼が来る音のように聞こえる。
👉 「like him coming」は動作や音の類似を示します。

She looks nothing like her mother.
彼女はお母さんには全然似ていない。
👉 否定文でも使用可能で、強調表現「nothing like」もよく使われます。


補足:この「like」はどんな言葉とよく組み合わさる?

「like」は類似性を示すため、人や物の名詞と非常に相性が良く、さらに「look」「sound」「smell」「feel」「taste」といった感覚を表す動詞と一緒に使われることが多いです。

よく使われる組み合わせの例:

  • look like(〜のように見える)
  • sound like(〜のように聞こえる)
  • feel like(〜のように感じる)
  • taste like(〜のような味がする)
  • nothing like(全然〜のようではない)
  • just like(まるで〜のように)

例文:

  • This smells like fresh bread.
     これは焼きたてのパンのような匂いがする。
  • You sound just like your brother.
     君はまるで弟のような声をしている。
  • It feels like silk.
     それは絹のような手触りだ。

このように「like」は感覚的な表現に特によく使われ、イメージを伝える英語として非常に効果的な前置詞です。

使い方2:相手の印象や意見を尋ねる「〜ってどんな感じ?」

この用法の「like」は、「What is 〜 like?」 の形で頻出します。これは相手の経験、人物、物事に対する印象や特徴を尋ねるときに使われる非常に自然な表現です。「〜ってどんな感じ?」と、日本語でもよくある質問形式に相当します。

この構文は、英会話では必須と言えるほどよく使われるため、質問文の形に慣れておくと実際の会話でとても役立ちます。


例文と解説

What’s it like studying in Spain?
スペインで勉強するのってどんな感じ?
👉「it」はスペイン留学という経験全体を指し、「what’s it like…」の形で印象を尋ねています。

This new girlfriend of his—what’s she like?
彼の新しい彼女って、どんな人?
👉「what’s she like?」で、その人の性格や外見などを尋ねる自然な会話表現です。

この構文は、「What is 〜 like?」の「like」が、**「〜のような」ではなく、「〜についてどんな印象?」**というニュアンスで使われている点がポイントです。「be like」の意味を「〜のようだ」とだけ覚えていると、この使い方は見落としがちになるので注意しましょう。


補足:この「like」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この用法では、以下のような代名詞や名詞が「like」の直前に来るのが一般的です。

よく使われる組み合わせの例:

  • What’s she like?
  • What’s it like?
  • What’s your hometown like?
  • What’s the weather like today?

例文:

  • What’s your new job like?
     新しい仕事ってどんな感じ?
  • What was the concert like?
     そのコンサート、どうだった?
  • What’s your teacher like?
     先生ってどんな人?
  • What’s life like in the countryside?
     田舎での生活ってどんな感じ?

この「like」は、その人・モノ・経験が持つ特徴や印象、感覚的な説明を引き出すための表現として使われるので、英会話において非常に実用的です。

使い方3:「〜のように」動作や状態を表す

この使い方の「like」は、物事や動作が**「〜のように」行われることを表す際に使われます。英語で「like」を使うとき、よく「as」と混同されがちですが、ここでは「like」が「〜のように」**という意味で使われ、動作や状態を表現する場合に用いられます。日本語では「〜のように」や「〜みたいに」に対応する表現です。

例えば、比喩的に物事を描写したり、何かの状態や動きが特定の物や事象に似ていることを表現するときに使います。


例文と解説

He ran like the wind.
彼は風のように走った。
👉「like the wind」の部分は、**「風のように速く」**という比喩を使い、非常に速く走ったことを表現しています。

Don’t look at me like that.
そんな目で見ないで。
👉「like that」は「そのように、あんなふうに」という意味で、視線や態度のあり方に対する否定的な反応を示しています。

Students were angry at being treated like children.
生徒たちは子ども扱いされて怒った。
👉「like children」の部分は、子どものように扱われることに対する不満を表現しています。

このように、動作や状態を比喩的に表現する際に「like」を使うことで、相手がどのように感じているのか、またはどう行動しているのかを強調することができます。


補足:この「like」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この用法の「like」は、比較対象としてよく名詞や名詞句が続きます。また、動詞や形容詞が後に続くこともあります。具体的には、以下のような使い方をよく見かけます。

よく使われる組み合わせの例:

  • run like the wind
  • speak like a professional
  • swim like a fish
  • act like a fool
  • work like a dog

例文:

  • She dances like a professional.
     彼女はプロのダンサーのように踊る。
  • The children were playing like there was no tomorrow.
     子供たちは明日がないかのように遊んでいた。
  • He sings like an angel.
     彼は天使のように歌う。
  • You look like you’ve had a rough day.
     あなたはひどく疲れた一日を過ごしたように見える。

この使い方の「like」は、動作や状態の質を強調するために非常に有効で、比喩的な表現を豊かにする役割を果たします。

使い方4:例として挙げる場合

この使い方では、「like」は具体的な例を挙げる際に使われます。日本語でも「〜のような」「例えば〜」と言う場面に相当し、特定の例を出して、物事や状況を説明する際に用いられます。

この用法は、類似性を示すのではなく、具体的な例を挙げるという形での表現です。例えば、あるカテゴリーやタイプに該当する具体的な事例を引き合いに出す際に「like」を使います。


例文と解説

Anti-utopian novels like ‘Animal Farm’ and ‘1984’ are often seen as warnings.
「動物農場」や「1984年」のような反ユートピア小説は、しばしば警告として見なされる。
👉この文では、「Animal Farm」と「1984」が反ユートピア小説の具体的な例として挙げられています。「like」は、これらがそのカテゴリに属することを示すために使われています。

Which Word? Anti-utopian novels like ‘Animal Farm’ and ‘1984’
「動物農場」や「1984年」のような反ユートピア小説
👉こちらも同様に、「like」は特定の例(この場合は反ユートピア小説)の例示として使われています。

You should read books like ‘The Catcher in the Rye’ and ‘To Kill a Mockingbird’ if you want to understand American literature.
アメリカ文学を理解したいなら、「ライ麦畑でつかまえて」や「アラバマ物語」のような本を読むべきだ。
👉この文では、アメリカ文学の理解を深めるために、具体的な本を例として挙げており、「like」がその事例を示しています。


補足:この「like」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この用法の「like」は、「例えば」「〜のような」という意味で使われ、後に名詞や名詞句が続くことが一般的です。以下のような例でよく使われます。

よく使われる組み合わせの例:

  • like ‘Animal Farm’(「動物農場」のような)
  • like ‘The Great Gatsby’(「グレート・ギャツビー」のような)
  • like ‘Star Wars’(「スター・ウォーズ」のような)
  • like classical music(クラシック音楽のような)
  • like jazz(ジャズのような)

例文:

  • There are many films like ‘The Matrix’ that deal with virtual reality.
     「マトリックス」のような仮想現実に関する映画はたくさんある。
  • Books like ‘Harry Potter’ have a large fan base.
     「ハリー・ポッター」のような本は大きなファン層を持っている。
  • Courses like ‘Introduction to Psychology’ are common in many universities.
     「心理学入門」のようなコースは多くの大学に共通している。

このように、「like」を使うことで、特定の事例やカテゴリの中から、具体的な例を挙げて話題を明確にすることができます。

使い方5:通常または典型的な行動を示す場合

この用法では、「like」は通常の行動や性格、特徴を表す際に使われます。これは、特定の人物や物が通常どうするか、どうであるかを示す表現です。日本語で言う「〜するのがいつものこと」「〜が典型的である」といった意味合いです。

例えば、特定の人が普段どのように振る舞うか、ある物事が普段どのように行われるかを表す際に、「like」を使います。


例文と解説

It’s just like her to tell everyone about it.
「彼女がそれについてみんなに話すのは、まさに彼女らしい。」
👉この文では、話し手が「彼女が普段する行動」として、彼女が他人に何かを話すことを表現しています。つまり、彼女の典型的な行動や性格を示しています。

It’s like him to forget to call.
「彼が電話をかけ忘れるのは、彼にとっては普通のことだ。」
👉こちらも、「forget to call(電話をかけ忘れる)」という行動が、彼の典型的な性格や行動を示しています。

It’s just like me to be late for a meeting.
「会議に遅れるのは、まさに私らしい。」
👉この例では、話し手が自分自身の行動パターンを表現しています。遅れることが、その人にとっての通常の行動であることを示しています。


補足:この「like」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この「like」は、動詞の原形名詞とともに使われ、通常は人の行動や性格を示す表現でよく見られます。以下のような表現がよく使われます。

よく使われる組み合わせの例:

  • like her to…(彼女が〜するのはいつものこと)
  • like him to…(彼が〜するのは典型的)
  • like me to…(私が〜するのは普通)
  • like you to…(あなたが〜するのは〜だ)

例文:

  • It’s like her to be so thoughtful.
     彼女がそんなに思いやりを持つのは、まさに彼女らしい。
  • It’s like him to be so forgetful.
     彼がそんなに物忘れが激しいのは、典型的な彼だ。
  • It’s like them to spend so much money on clothes.
     彼らがそんなにお金を服に使うのは、いつものことだ。

この用法では、「like」は単に類似性を表すのではなく、**「その人や物が普段すること、またはその人にとって自然な行動」**を強調しています。こうした表現は、その人らしさや特徴を伝えるために使われるため、非常に日常的に用いられます。

この記事を書いた人

いぎリス
いぎリス
イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。