前置詞「prior to」の奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

時間の前後関係を表現する英語の前置詞は数多く存在しますが、その中でも「prior to」は、フォーマルな場面で時間的な「前」を伝えるのに適した表現として頻繁に使われます。この記事では、前置詞「prior to」の意味・使い方・用例・よく使われる語句の組み合わせを丁寧に解説していきます。


使い方1:フォーマルな場面で「〜の前に」を表す「prior to」

前置詞「prior to」は、「〜より前に」「〜に先立って」という意味で使われます。これは、意味的には「before」と同じですが、より堅い文脈や正式な文書、ビジネス英語、学術文書、法律関連の文などで好まれる表現です。「prior to」は、動作や出来事が他の出来事よりも先に起きたことを明確にしたいときに使用されます。

この表現はしばしば、日付・イベント・手続き・行為などと共に使われ、「prior to the event(イベントの前に)」「prior to departure(出発前に)」などの形で使われます。カジュアルな日常英会話では「before」が好まれますが、「prior to」を使うことで、文章や発言にきちんとした印象や信頼性を与える効果があります。


例文と解説

1. During the week prior to the meeting, I reviewed all the documents.
会議の前の週に、私はすべての書類を確認しました。

→「prior to the meeting」で「会議より前に」を意味します。「during the week prior to 〜」という形は、準備期間などを表すときに非常に自然な言い回しです。

2. All guests must register at the front desk prior to entering the facility.
施設に入る前に、すべての来客は受付で登録をしなければなりません。

→公式なルールや案内に「prior to」は非常によく用いられます。「entering the facility(施設に入る)」という行動の前に何かをする必要がある、という順序が強調されています。

3. Prior to making your final decision, please consider all the alternatives.
最終的な決断を下す前に、すべての代替案を検討してください。

→動名詞(making)と組み合わせて、「意思決定に先立って」というニュアンスが出せます。ビジネス文書でよく見られる表現です。

4. Several issues were resolved prior to the product launch.
製品の発売前に、いくつかの問題が解決された。

→イベント(product launch)より前に行われた行動(resolved)を明示する形です。時系列や段取りを強調したいときに使えます。

5. You must complete the training prior to your first assignment.
最初の業務を始める前に、研修を完了しておかなければなりません。

→社内ルールや就業ガイドラインに頻出のフレーズです。「prior to + 所属する行動」の形で、段取りの順番がはっきりと伝わります。


補足:この「prior to」はどんな言葉とよく組み合わさる?

「prior to」は、以下のような名詞または動名詞と非常に相性が良く、よくセットで使われます:

  • prior to the meeting(会議の前に)
  • prior to departure(出発前に)
  • prior to the event(イベントの前に)
  • prior to the interview(面接の前に)
  • prior to making a decision(決断する前に)
  • prior to entering(入場する前に)
  • prior to arrival(到着前に)
  • prior to taking action(行動を起こす前に)

これらは、手続きやイベントの流れを示す場面で多用されます。文書の格調を高めたいときや、カジュアル過ぎない印象を与えたいときに特に有効です。

この記事を書いた人

いぎリス
いぎリス
イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。