前置詞aboveの奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語の前置詞には、単に「〜の上に」と訳すだけでは捉えきれない深い意味と用法が存在します。今回はその中でも、「上方」や「基準を超えて」など多様な意味を持つ前置詞 above に注目し、その使い方を詳しく解説していきます。
前置詞 above は、「位置」「数量」「評価」「道徳」など、さまざまな文脈で使われます。本記事では、Oxford Learner’s Dictionaries の定義に基づき、例文と日本語訳を交えて丁寧に解説します。英語学習者や英語教育に携わる方にとっても、実用的かつ理解しやすい内容を目指します。
使い方1:位置的に「〜の上にある」「上方にある」ことを表すabove
above の最も基本的な用法は、「物理的に何かの上に位置している」「より高い位置にある」ことを示す前置詞としての使い方です。この用法では、単に真上にあるという意味だけではなく、「浮いている」「上空にある」「隣接する建物の上階」など、上下関係を持つ空間的な位置にフォーカスします。
また、動作の対象や人が関与する対象についても、「ある位置より上にある」ことを伝えるため、日常英会話からニュース・ビジネスシーンまで幅広く活用されています。
例文と解説
The water came above our knees.
水は私たちの膝の上まで来た。
→「above our knees」で「膝の上に」という物理的な高さを表しています。
We were flying above the clouds.
私たちは雲の上を飛んでいた。
→飛行機などの高度が「雲より上にある」ことを示しています。空間的な上昇を意味します。
The people in the apartment above mine
私の部屋の上の階の人たち
→建物内での階層の上下関係を示す典型的な表現。「apartment above mine」で「自分の上の階の部屋」。
He hung the picture above the fireplace.
彼は暖炉の上にその絵を掛けた。
→「above the fireplace」は暖炉よりも上に位置していることを表します。
補足:この「above」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この空間的な意味で使われる above は、次のような語句と頻出で組み合わされます:
- above the clouds(雲の上に)
- above sea level(海抜)
- above the ground(地上より高く)
- above the bed(ベッドの上に)
- above the fireplace(暖炉の上に)
このような表現を覚えておくと、英語で位置関係を説明する際に自然な表現ができます。
使い方2:数量・数値が「〜を超えている」「〜以上」の意味を表すabove
前置詞 above は、数量やレベルがある基準を「上回る」「超えている」といった意味でも頻繁に使われます。この使い方は、統計・経済・科学などの客観的な情報を表す場面でとくに多く見られます。日常的な会話でも「年齢が10歳以上」や「気温が平均を上回る」といった情報に使われる重要な表現です。
この文脈では、above は「〜より多い」「〜を上回っている」という意味合いで、比較対象と一緒に使われます。
例文と解説
Inflation is above 6%.
インフレ率は6%を上回っている。
→「above 6%」で「6%以上」であることを明示。経済指標で頻繁に使われる構文です。
Temperatures have been above average.
気温は平均を上回っている。
→「above average(平均以上)」は定型的な表現。季節や気候の話題でよく使います。
We cannot accept children above the age of 10.
10歳以上の子どもは受け入れられません。
→年齢の制限を表す際によく使われ、「above the age of ~」という構文は入試やガイドライン等で見かけます。
His blood pressure is well above normal.
彼の血圧は正常値をはるかに上回っている。
→健康診断や医療の場面でも、「above normal」で「正常値以上」。
補足:この「above」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この「数量・基準を超える」意味での above は、以下のような表現と相性が良く、よく使われます:
- above average(平均以上)
- above normal(正常値以上)
- above the limit(制限を超える)
- above 100 degrees(100度以上)
- above 18 years old(18歳以上)
これらの表現は、アカデミックな場面から日常会話まで幅広く使われるため、頻出フレーズとして覚えておくと非常に便利です。
使い方3:評価や重要性で「他より優れている」「格上である」above
前置詞 above は、物理的な位置や数値的な高さだけでなく、「評価」「質」「地位」「能力」などの面でも「他より上にある」「格上である」という意味で用いられます。この用法では、単なる上下関係ではなく、価値判断や尊敬のニュアンスが込められている点が特徴です。
ビジネスやスポーツ、学術などあらゆる分野で、比較や優位性を示す際にとても便利な表現です。
例文と解説
I rate her above most other players of her age.
私は、彼女を同世代のほとんどの選手より高く評価している。
→「rate A above B」で「AをBより高く評価する」。評価の優劣を表す典型的な構文。
A captain in the navy ranks above a captain in the army.
海軍の大尉は陸軍の大尉よりも階級が上だ。
→「rank above」は階級や序列における優位性を示す定番表現。軍事や企業の組織図などで使われることが多いです。
He’s above suspicion.
彼は疑われるような人ではない(=完全に信頼されている)。
→「above suspicion」は慣用表現で、「疑いの余地がないほど信頼されている」という意味になります。
She’s not above lying when it suits her.
彼女は自分に都合がよければ平気で嘘をつく。
→ここでは逆説的に、「〜するほど落ちぶれてはいない→実際にはする」という皮肉を込めた表現。「not above ~」で「〜することもある(軽蔑的)」。
補足:この「above」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この評価・格上の意味で使われる above は、次のような語と特によく使われます:
- rank above(~より格上である)
- be above suspicion(疑われるような人物ではない)
- rate above(~より高く評価する)
- above reproach(非の打ち所がない)
- not above ~ing(~するほど堕ちてはいない→皮肉で「する」)
こうした組み合わせは、ビジネスメールや評論、ニュース記事などでよく見られるため、文語的なニュアンスを含めて覚えておくと便利です。
使い方4:音が「他の音より大きい・はっきりしている」above
前置詞 above は、音や声が他の音よりも大きく聞こえる、または他の音にかき消されないで届くという意味でも使われます。これは、物理的な高さや優位性から派生した用法で、「音が他の音の“上”に出てくる=際立って聞こえる」というイメージです。
日常会話やニュースなどでも使われるこの表現は、騒がしい場所での会話や、感情的な場面の描写によく登場します。
例文と解説
I couldn’t hear her above the noise of the traffic.
交通の騒音で、彼女の声が聞こえなかった。
→「above the noise of ~」という形で、「~の騒音にかき消されて聞こえない」という意味。騒がしい環境では定番の表現です。
Her laughter rang out above the crowd.
彼女の笑い声が群衆の中でひときわ響いた。
→「ring out above ~」は「~を超えて(上回って)響き渡る」というニュアンス。音が周囲よりも際立って届く様子を描写しています。
The teacher’s voice rose above the commotion in the classroom.
教師の声が教室の騒ぎの中でひときわ大きくなった。
→「rise above」も音や声が周囲の音を上回ることを表現する際によく使われます。
補足:この「above」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法の above は、次のような語とよく一緒に使われます:
- above the noise(騒音の上に/騒音を超えて)
- above the crowd(群衆の中でもひときわ)
- above the commotion(騒がしさを超えて)
- above the chatter(おしゃべりを超えて)
これらの表現は、小説や描写的な英文で多く登場し、シーンの臨場感を出すのに効果的です。
まとめ:前置詞「above」の多彩な使い方をマスターしよう
前置詞 above は、「~の上に」といった物理的な位置を示す基本的な意味から出発し、そこから抽象的な概念や比喩的な表現にまで広がる、非常に多機能な前置詞です。この記事では、Oxford Learner’s Dictionaries に基づき、以下の主な用法について詳しく見てきました。
- 位置・場所を表す above:
「~の上に・上方にある」ことを表す基本用法。空間的な高低差や位置関係を示すときに使われます。 - 数量・数値が基準を超える above:
「~を超えて・~より多く」といった意味で、温度、年齢、統計値などの数的な基準を超えている状態を示します。 - 抽象的な価値や道徳的な優位性を表す above:
「~よりも上の価値がある」「~をしないほどの高潔さがある」という抽象的・比喩的な意味で用いられます。 - 音が他の音を上回る above:
「他の音を超えて響く」「騒音に負けないで聞こえる」など、音量や明瞭さにおいて優れている様子を表します。
学んだことを生かすポイント
- above は位置だけでなく、数値、道徳、音など様々な次元で「上回る」ことを表す。
- 他の単語とセットで意味が特定されるケースが多い(例:above suspicion, above average)。
- 書き言葉・話し言葉の両方で使われ、抽象的な英語表現に深みを加えてくれる。
よく使われるコロケーション例(まとめ)
用法 | よく使われるフレーズ |
---|---|
位置 | above the clouds, above the building |
数量 | above average, above 10%, above 18 years old |
抽象 | above suspicion, above criticism, above others |
音量 | above the noise, above the chatter, above the crowd |
above のさまざまな用法をしっかりと理解しておくことで、英語の読み書き、リスニング、スピーキングにおいて表現力が格段に広がります。文脈によって意味が変わる前置詞だからこそ、ひとつひとつの使い方を丁寧に押さえることが大切です。
この記事を書いた人

- イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。