前置詞「aside from」の奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語における「aside from」は、「〜を除いて」「〜に加えて」という二つの対照的な意味を持つ便利な前置詞です。日常会話でもよく登場するこの表現ですが、意味によってニュアンスや使い方が大きく異なります。本記事では、それぞれの意味と用法について詳しく解説し、実際にどのような場面で使えるかを例文とともに紹介します。


使い方1:〜を除いて(except for)という意味でのaside from

「aside from」は、まず「except for(〜を除いて)」という意味で使われることがあります。この用法では、ある特定の要素を除外して、他の事柄が当てはまるということを表します。軽微な例外を示すときや、全体として肯定的な内容にしたいときに使われることが多いです。

この除外用法は、話し手が「それ以外は大丈夫」「その点を除けば問題ない」といった前向きな印象を与える時にも便利です。


例文と解説

Aside from a few scratches, I’m OK.
少しの擦り傷を除けば、私は大丈夫です。

→ 体の状態を説明する際に、軽微な問題を除外して全体としては「大丈夫」と伝えています。

Aside from his lack of experience, he’s a good candidate.
彼の経験不足を除けば、彼は良い候補者です。

→ 欠点(経験不足)を除けば、全体として良い印象であることを伝えています。

Aside from one small error, your report was excellent.
小さなミスを除けば、あなたのレポートは素晴らしかったです。

→ 書き手や話し手が、評価の際に丁寧にフィードバックする際に使えます。


補足:この「aside from」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この除外の用法では、以下のような語句とよく一緒に使われます:

  • aside from a few scratches / minor errors / a slight delay
  • aside from his/her attitude / one mistake / a problem
  • aside from that / this

特にネガティブな意味を含む名詞と組み合わさることで、「その点を除けば問題ない」というポジティブな表現になります。


使い方2:〜に加えて(in addition to)という意味でのaside from

「aside from」にはもう一つの意味、「〜に加えて」「〜だけでなく」という追加の用法もあります。この意味では、「as well as」「in addition to」と同様に、既に述べたことにさらに情報を付け加える形で使われます。

この用法は、会話や文章で情報を豊かにするために非常に便利です。複数の事柄を列挙する場面や、ある人物の多才さや活動の広がりを伝える時などに使えます。


例文と解説

Aside from English, she speaks Spanish and French.
英語に加えて、彼女はスペイン語とフランス語も話します。

→ 彼女の語学力を強調し、英語以外の言語も話せるという追加情報を伝えています。

You have to help. Aside from anything else, you’re my brother.
手伝ってくれなきゃ。何より君は僕の兄弟なんだから。

→ 「aside from anything else」は、「他の理由はさておき」といった強調の意味合いを含みます。

Aside from studying, he also works part-time at a café.
勉強に加えて、彼はカフェでアルバイトもしています。

→ 学生の生活の多様さを表現する際に便利な構文です。


補足:この「aside from」はどんな言葉とよく組み合わさる?

追加の意味で使う場合、以下のような語句との組み合わせが一般的です:

  • aside from English / studying / work
  • aside from helping / participating / training
  • aside from that / anything else
  • aside from his job / her career

特に日常的な活動やスキルを列挙する文脈で、as well as の代替表現として用いられることが多いです。


まとめ

「aside from」は、一見シンプルな前置詞のように見えて、実は「〜を除いて」と「〜に加えて」という2つの意味を持つ多機能な表現です。意味が対照的なため、文脈によってどちらの意味で使われているかを正しく判断することが重要です。

  • 除外(except for):ネガティブな要素を除外する、軽微な例外を示す
  • 追加(in addition to):他の要素を加える、情報を広げる

どちらの意味も英会話・ライティングで役立つので、例文を何度も音読しながら使い方を定着させましょう。多義的な表現をしっかり使いこなすことで、あなたの英語力はさらに自然で洗練されたものになります。

この記事を書いた人

いぎリス
いぎリス
イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。