前置詞atの奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語学習において、「at」は非常によく使われる基本的な前置詞の一つです。しかし、そのシンプルさとは裏腹に、実に多様な使い方があり、正確な理解が求められます。本記事では、Oxford Learner’s Dictionariesの定義に基づいて、「at」のさまざまな使い方を例文付きで詳しく解説していきます。英語力を一段と高めるために、ぜひ参考にしてください。
使い方1:場所や位置を表す「at」
「at」は、誰かや何かの“正確な場所”や“位置”を示すときによく使われます。特定の建物、交差点、住所、または空港や駅などの施設に関連する文脈で使用されます。広い場所を表すのではなく、ピンポイントな位置を指すイメージです。
例文と解説
例文1
We changed at Crewe.
クルーで乗り換えました。
例文2
They arrived late at the airport.
彼らは空港に遅れて到着しました。
例文3
I’ll be at home all morning.
午前中ずっと家にいます。
例文4
She’s at Tom’s.
彼女はトムの家にいます。
例文5
How many people were there at the concert?
そのコンサートには何人が参加していましたか?
これらの例文からもわかるように、「at」はある特定の地点やイベントを指し示す際に使用されます。「at home」「at the concert」「at school」「at the station」など、慣用的に使われる表現も非常に多くあります。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
- at home(家にいて)
- at school / at work(学校に/職場に)
- at the airport / at the station(空港に/駅に)
- at the corner of the street(通りの角に)
- at the concert / at the party(コンサートに/パーティーに)
「at」は基本的に、「場所+at」という形で頻出し、英会話の中でも多用されます。特に「at the + 場所名」は定型表現として覚えておくと便利です。
使い方2:時間を表す「at」
「at」は、特定の時間や時点を示す際に使われます。これは日常英会話の中でも特に頻繁に出てくる用法で、具体的な時刻(at 5 o’clock)や、特定の時間帯(at night)、ある出来事の時点(at the time of writing)などに幅広く用いられます。
この使い方では、単なる「いつ?」という質問に対するピンポイントな回答として「at」が機能しています。広い時間の範囲ではなく、“瞬間”や“限定的な時間帯”を表すイメージで捉えると理解しやすいでしょう。
例文と解説
例文1
We left at 2 o’clock.
私たちは2時に出発しました。
例文2
We woke at dawn.
私たちは夜明けに目を覚ましました。
例文3
I didn’t know at the time of writing.
執筆時点では、それを知りませんでした。
例文4
At night you can see the stars.
夜には星を見ることができます。
例文5
(British English) What are you doing at the weekend?
週末は何をする予定ですか?
これらの例文からも明らかなように、「at」は特定の時刻(2時、夜明け)、または文書や発言が行われた“その瞬間”をピンポイントで示す働きがあります。
特にイギリス英語では「at the weekend」という言い回しがよく使われるのも特徴で、アメリカ英語の「on the weekend」との違いとして覚えておくと役立ちます。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
- at noon / at midnight / at dusk / at dawn
(正午に/真夜中に/夕暮れに/夜明けに) - at 7 o’clock / at 3:30
(7時に/3時30分に) - at the moment / at that time / at the time of writing
(今この瞬間に/その時に/執筆時点で) - at night / at the weekend
(夜に/週末に)
このように、「at + 時間名詞」のパターンをしっかり押さえることで、時間表現の幅が一気に広がります。
使い方3:年齢を表す「at」
「at」は、人が特定の年齢のときに何かをした、あるいは何かが起こったことを示す際にも使われます。この使い方では「〜歳で」「〜歳のときに」という意味になり、人生の出来事や経歴などを語るうえで欠かせない表現です。
この「at + 年齢」の形は、文章の主語が人でも物事でも成立します。たとえば「She got married at 25.(彼女は25歳で結婚した)」のように、数値だけで表現されることもあれば、「at the age of 25」のようにフルの形で書かれることもあります。
例文と解説
例文1
She got married at 25.
彼女は25歳で結婚しました。
例文2
He left school at the age of 16.
彼は16歳で学校を辞めました。
例文3
Mozart composed his first symphony at the age of 8.
モーツァルトは8歳で最初の交響曲を作曲しました。
例文4
At 70, he still runs five miles every morning.
70歳でも、彼は今でも毎朝5マイル走ります。
例文5
She started learning French at the age of 40.
彼女は40歳でフランス語を学び始めました。
このように、年齢という時間的な「時点」を示すのがこの「at」の働きです。話し手が特定の年齢に焦点を当てているときによく使われます。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
- at 16 / at 25 / at 40
(16歳で/25歳で/40歳で) - at the age of 10 / at the age of 30
(10歳のときに/30歳のときに) - start / leave / marry / die などの動詞と一緒に使うことが多いです
例:started working at 18(18歳で働き始めた)
died at the age of 90(90歳で亡くなった)
この用法は、自分自身の経歴を説明する時や、伝記・履歴書などの文章でも非常によく使われますので、覚えておくと大変便利です。
使い方4:方向を示す「at」
「at」は、物理的または比喩的な「方向」や「対象」を示す前置詞としても使われます。この用法では、「〜に向かって」「〜を対象として」という意味合いを持ち、特に視線・言葉・動作などがどこへ向いているかを表現する際に使われます。
たとえば、「look at」(〜を見る)、「shout at」(〜に怒鳴る)、「throw something at」(〜に向かって何かを投げる)などが代表的な例です。行動の「的」が明確に存在するときに、この「at」が頻繁に用いられます。
例文と解説
例文1
What are you looking at?
何を見ているの?
→ 「look」の対象が「何か」であることを明示しています。対象が明確な「視線の方向」を表す用法です。
例文2
He pointed the gun at the target.
彼は銃を標的に向けて構えた。
→ 「at the target」は、銃をどこに向けたのかを示しています。物理的な方向を示す代表例です。
例文3
Somebody threw paint at the prime minister.
誰かが首相に向かってペンキを投げつけた。
→ 行動の対象(首相)に対して、動作(投げる)が「向けられている」ことを示します。
例文4
She shouted angrily at her brother.
彼女は怒って弟に怒鳴った。
→ 「shout」の相手、つまり怒鳴られる「対象」が弟であることを明確にしています。
例文5
Don’t laugh at me!
私を笑わないで!
→ 精神的な方向性、「誰を対象にして笑っているのか」を示しています。
このように、「at」は動作や注意の「向き先」を明示する働きがあり、日常会話でも非常に多く登場します。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
以下のような動詞とともによく使われます。
- look at / stare at / glance at(〜を見る、じっと見る、チラッと見る)
- shout at / yell at / scream at(〜に向かって叫ぶ・怒鳴る)
- throw at / aim at / shoot at(〜に向かって投げる・狙う・撃つ)
- smile at / laugh at / frown at(〜に微笑む・笑う・眉をひそめる)
- point at / wave at / gesture at(〜を指す・手を振る・ジェスチャーを送る)
これらはいずれも「誰(何)に向かってその行動をしているのか」という方向性・対象性を明確に伝えるため、「at」はその接続語として欠かせません。
使い方5:部分的・未完の動作を表す「at」
この用法の「at」は、「完全に〜する」のではなく、「〜しようとする」「少し〜する」といった、未遂や断片的な行為を表す場面で使われます。つまり、動作の一部だけが行われた、あるいは失敗に終わったような場合に使われるのがこのタイプの「at」です。
「clutch at(〜につかまろうとする)」「nibble at(少しずつ食べる)」「grasp at(〜をつかもうとする)」などが代表的な用法です。この「at」は、対象に対して完全には達していない、あるいは少ししか達していないことを暗示します。
例文と解説
例文1
He clutched wildly at the rope as he fell.
彼は落下しながらロープを必死に掴もうとした。
→ 実際につかめたかどうかは不明。「clutch at」は「掴もうとする」動作そのものに焦点があります。
例文2
She nibbled at a sandwich.
彼女はサンドイッチを少しずつ食べた。
→ 「nibble at」は、がっつり食べるのではなく、「ちょっとずつつまむ」というニュアンスがあります。
例文3
The baby reached out and grabbed at the toy.
赤ちゃんは手を伸ばしておもちゃをつかもうとした。
→ 「grab at」は、つかもうとする行為に焦点を当てており、成功するかどうかは描写されていません。
例文4
He was grasping at straws.
彼は藁にもすがる思いだった。
→ これはイディオム的表現ですが、「grasp at」が「何かにすがるように掴もうとする」という意味合いで使われています。
この用法では、対象物との「完全な接触」が起きていない点が重要で、動作の目的に向かって努力はしているが、完了には至っていない、というニュアンスが込められています。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法でよく使われる動詞は、未完の行為や断片的な動作を表すものが中心です。
- clutch at(〜につかまろうとする)
- grab at / grasp at(〜をつかもうとする)
- nibble at(〜を少しずつ食べる)
- snatch at(〜をひったくろうとする)
- reach at(〜に手を伸ばす)
- strike at(〜に攻撃を加えようとする)
これらの動詞とともに「at」を使うことで、「完全ではない行動」を表現できます。特に、状況が切羽詰まっている、あるいは慎重に少しずつ進めている、といった文脈で使われることが多いです。
使い方6:能力や評価に関連する「at」
この用法の「at」は、能力や評価に関連する文脈で使われます。特定の分野や活動において、どれほどうまくできるか、またはどれほどその分野において優れているかを表すために使用されます。
この「at」は、主に能力や特定のスキルを表す形で使われます。一般的には「good at」「excellent at」「bad at」など、評価を表す形容詞や副詞と共に使われることが多いです。
例文と解説
例文1
I’m good at French.
私はフランス語が得意です。
→ 「good at」は、フランス語に対して自分の能力が高いことを示しています。これは、語学能力や専門的な技術などに対して使われる一般的な表現です。
例文2
She’s excellent at managing people.
彼女は人を管理するのが非常に得意です。
→ 「excellent at」は、「素晴らしい能力を持っている」という意味で、特定のスキルや能力が非常に高いことを評価しています。
例文3
He’s bad at math.
彼は数学が苦手です。
→ 「bad at」は、特定の分野や活動に対する能力が低い、または難しさを感じていることを示しています。ここでは、数学に対する苦手意識が表現されています。
例文4
She’s terrible at cooking.
彼女は料理がとても下手です。
→ 「terrible at」は、料理に対するスキルが非常に低い、または自信がないことを強調しています。能力の評価が非常に低い場合に使います。
例文5
I’m not so good at sports.
私はスポーツがあまり得意ではありません。
→ 「not so good at」は、「得意ではない」という意味で、能力に対するやや否定的な評価を表します。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法では、評価を表す形容詞や副詞と一緒に使われることが多いです。以下は、よく一緒に使われる表現です。
- good at(〜が得意である)
- excellent at(〜が非常に得意である)
- bad at(〜が苦手である)
- terrible at(〜がとても下手である)
- great at(〜が非常に優れている)
- weak at(〜が苦手である)
- strong at(〜が得意である、強い)
これらの表現を使うことで、何かに対する自分の能力や評価を明確に伝えることができます。特に、職場や学校、スポーツなどの具体的な場面で頻繁に使われる表現です。
使い方7:率や速度を表す「at」
「at」は、率や速度を表す際にも使用されます。この場合、「at」は、時間的、金銭的、または距離的な基準やスピードを示します。
例文と解説
例文1
He was driving at 70 mph.
彼は時速70マイルで運転していました。
→ この例文では、速度(時速70マイル)を示すために「at」を使っています。「at」は特に速度やペース、レートを表すときに使われます。
例文2
The noise came at two-minute intervals.
その音は2分おきに聞こえました。
→ こちらでは、音が発生する間隔を表しています。「at two-minute intervals」は「2分ごとに」という意味です。
例文3
Prices start at $1,000.
価格は1,000ドルから始まります。
→ 「at $1,000」では、価格の起点を示しています。商品の価格が1,000ドルから始まるということです。
例文4
The book retails at £19.95.
その本は19.95ポンドで販売されています。
→ この例では、「at」を使って、商品の価格を示しています。「at £19.95」は、商品の価格が19.95ポンドであることを表しています。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
「at」は特に速度や間隔、価格を表す際に多く使われます。以下の言葉と一緒に使われることがよくあります:
- at (a speed) — 速さ、速度を表す。例:at 60 miles per hour(時速60マイルで)
- at (an interval) — 間隔を表す。例:at five-minute intervals(5分おきに)
- at (a price) — 価格を表す。例:at $100(100ドルで)
使い方8:距離を表す「at」
「at」は、距離を表す場合にも使用されます。特に、物の位置を表すときに使われることが多いです。
例文と解説
例文1
I held it at arm’s length.
私はそれを腕の長さで持ちました。
→ 「at arm’s length」は、「腕の長さで」という意味で、物を腕の距離で持っていることを表しています。距離感を表す「at」の使い方です。
例文2
Can you read a car number plate at fifty meters?
50メートル先で車のナンバープレートは読めますか?
→ こちらでは、距離(50メートル)を示すために「at」が使われています。このように、距離的な基準を示す際にも「at」を使用します。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
距離を示す際、「at」はしばしば腕の長さや目の距離など、測定基準に関連する表現と組み合わさります。例えば:
- at arm’s length — 腕の長さで
- at a distance of (something) — 〜の距離で
- at (a number) meters — 〜メートルの距離で
使い方9:状況や状態を表す「at」
「at」は、状況や状態を示す場合にも使われます。特に、物事がどの状態にあるかを表現する際に使います。
例文と解説
例文1
The country is now at war.
その国は今、戦争状態にあります。
→ 「at war」は「戦争状態である」という意味で、特定の状況を表します。戦争中という状態を示すために「at」が使われています。
例文2
I felt at a disadvantage.
私は不利な立場にあると感じました。
→ 「at a disadvantage」は「不利な立場にある」という意味で、状態を示しています。
例文3
I think Mr. Harris is at lunch.
私はハリスさんが昼食中だと思います。
→ 「at lunch」は「昼食中」という意味で、状況を表しています。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
「at」は特定の状況や状態を表す際に使われ、次のようなフレーズがよく見られます:
- at war — 戦争中で
- at peace — 平和で
- at risk — 危険にさらされて
- at a disadvantage — 不利な立場にある
- at a loss — 困惑している
使い方10:最大限や最小限を示す「at」
「at」は、最大限や最小限の状態を示す場合にも使用されます。物事がある最良や最悪の状態にあることを表すときに使います。
例文と解説
例文1
This was Osaka at her best.
これは大阪が最も素晴らしい時でした。
→ 「at her best」は「最も素晴らしい状態である」という意味で、最高の状態を表現しています。
例文2
The garden’s at its most beautiful in June.
その庭は6月に最も美しいです。
→ 「at its most beautiful」は「最も美しい状態である」という意味です。最も良い状態や美しい時期を示す表現です。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
「at」は、何かの最良や最悪の状態を示す際に使われ、次のような表現が一般的です:
- at one’s best — 最も良い状態で
- at its worst — 最悪の状態で
- at the peak of (something) — 〜のピークで
- at its best/worst — 最も素晴らしい/最も悪い状態で
使い方11:原因や理由を表す「at」
「at」は、原因や理由を示す場合にも使用されます。この使い方では、何かに対する感情や反応がその原因に基づいていることを表します。
例文と解説
例文1
They were impatient at the delay.
彼らは遅れに対してイライラしていました。
→ 「at the delay」は「遅れに対して」という意味で、感情の原因を示しています。遅延に対して不満やイライラを感じていることを表現しています。
例文2
She was delighted at the result.
彼女は結果に喜びました。
→ 「at the result」は「結果に対して」という意味で、喜びの原因となったものを示しています。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
感情や反応の原因を示す際、「at」は次のようなフレーズと共に使われます:
- at the delay — 遅れに対して
- at the news — そのニュースに対して
- at the thought of — 〜の考えに対して
- at the result — 結果に対して
使い方12:特定の年齢を示す「at」
「at」は、特定の年齢を示す際にも使われます。人が特定の年齢で何かを達成したり、起こったりした場合に使用されます。
例文と解説
例文1
She got married at 25.
彼女は25歳で結婚しました。
→ 「at 25」は「25歳で」という意味で、年齢を基準にした出来事を表しています。
例文2
He left school at the age of 16.
彼は16歳で学校を辞めました。
→ 「at the age of 16」は「16歳で」という意味で、特定の年齢における出来事を示しています。
補足:この「at」はどんな言葉とよく組み合わさる?
「at」は年齢を表す場合にもよく使われ、以下のような表現が見られます:
- at the age of (number) — 〜歳で
- at (an age) — 〜歳で(一般的な年齢表現)
例えば:
- at 16 — 16歳で
- at 25 — 25歳で
まとめ
前置詞「at」は、非常に多くの使い方があり、位置、時間、状況、速度、評価、年齢など、さまざまな文脈で使われます。それぞれの用法を理解し使いこなすことで、英語表現がより豊かになります。具体的な例を参考にして、日常的な会話や文章で自然に使えるようになりましょう。
この記事を書いた人

- イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。