前置詞”by”の奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語の前置詞「by」は、非常に多くの場面で使われる重要な語句です。シンプルな語でありながら、使い方を誤ると意味が大きく変わってしまうため、正確な理解が必要です。本記事では、前置詞「by」の代表的な使い方を2つ取り上げ、例文を交えながら丁寧に解説していきます。
- 使い方1:手段・方法・手順を示す「〜によって」「〜で」
- 使い方2:場所・位置関係を示す「〜のそばに」「〜の隣に」
- まとめ
- 使い方3:受動態での行為者を示す
- 使い方4:期限・締め切りを示す「by」
- 使い方5:原因・理由・手段・状況を表す「by」
- 使い方6:程度や差異を表す「by」
- 使い方7:状況や時間帯を表す「by」
- 使い方8:〜に従って/〜に基づいてを表す「by」
- 使い方9:〜のそばを通って/通り過ぎてを表す「by」
- 使い方10:〜の一部をつかんで、〜の部分を使ってを表す「by」
- 使い方11:単位や期間を示す「by」
- 使い方12:何かが進行する速度や割合を示す「by」
- 使い方13:何かのサイズや寸法について「by」
- 使い方14:掛け算や割り算における「by」
- 使い方15:出身地や職業に関連する「by」
- 使い方16:誓いに関連する「by」
使い方1:手段・方法・手順を示す「〜によって」「〜で」
前置詞「by」は、「〜によって」「〜という手段で」という意味で頻繁に使われます。これは「どのようにして(どんな手段で)その行為が行われたのか」を示す用法であり、非常に実用的です。交通手段、支払い方法、連絡手段、エネルギー源、操作方法など、日常生活のあらゆる場面で登場します。
この「by」の用法を理解することで、英語で「どうやって〇〇したのか」を自然に表現できるようになります。特にスピーキングやライティングでは非常に重宝されるため、ぜひマスターしておきたい表現です。
例文と解説
1. 手段・方法を表す
- The house is heated by gas.
(その家はガスで暖房されています。)
→ 「ガスという手段で暖房されている」=エネルギー源を示す用法です。 - May I pay by credit card?
(クレジットカードで支払ってもいいですか?)
→ 支払い方法を尋ねるときの定型表現です。「by cash」や「by bank transfer」と同様の構造になります。 - I will contact you by letter.
(手紙で連絡します。)
→ 「by phone」「by email」などのバリエーションも多く使われます。 - Switch it on by pressing this button.
(このボタンを押してスイッチを入れてください。)
→ 「by + 動詞のing形(動名詞)」で「〜することによって」と操作手順を説明する構文。
2. 交通手段を表す
- to travel by boat/bus/car/plane
(ボート/バス/車/飛行機で移動する)
→ 交通手段を表すときには「by + 無冠詞の交通手段名詞」で表現されます。 - to travel by air/land/sea
(空路/陸路/海路で移動する)
→ このように抽象的な手段(空・陸・海)にも用いられます。
このように、「by」は非常に柔軟に使える前置詞であり、さまざまな「手段・方法」の表現に活躍します。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法で「by」と一緒によく使われる語句を以下にまとめます:
- by car / by train / by plane(交通手段)
- by email / by phone / by letter(連絡手段)
- by gas / by electricity / by solar power(エネルギー源)
- by pressing / by clicking / by turning(操作方法:動名詞)
例文:
- She arrived by train.
(彼女は電車で到着しました。) - We paid by credit card.
(私たちはクレジットカードで支払いました。) - You can fix the problem by restarting the device.
(その問題は、装置を再起動することで解決できます。)
これらの表現は日常会話やビジネスの場面でも頻繁に使われるので、セットで覚えておくと非常に便利です。
使い方2:場所・位置関係を示す「〜のそばに」「〜の隣に」
前置詞「by」はまた、場所の近接関係を示す際にもよく使われます。この用法では、「〜のそばに」「〜の隣に」「〜のすぐ横に」といったニュアンスを持ち、物理的な距離が近いことを示します。
この意味での「by」は、「near」や「next to」などと非常に似た役割を果たしますが、より柔らかく自然な印象を与えるため、ネイティブが好んで使う傾向があります。
例文と解説
1. 物理的な位置を示す
- a house by the river
(川のそばの家)
→ 「by the river」で「川のすぐ近くにある」ことを表します。景色の描写などでもよく使われます。 - Can we have the table by the window?
(窓側の席をいただけますか?)
→ レストランなどでの定番表現。「by the window」は「窓のすぐそばにあるテーブル」の意味です。 - Come and sit by me.
(こっちに来て、私の隣に座って。)
→ 「by me」で「私の隣に」。親しみのあるやわらかい呼びかけ表現としてよく使われます。
このように、「by」は人や物の近接した配置を示すのに非常に便利です。距離感としては「ピッタリ隣」よりはやや広めのイメージを持つのが自然です。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法で「by」と組み合わさる語句は以下のようなものがあります:
- by the window / by the door / by the wall(建物・部屋内の位置)
- by the river / by the lake / by the sea(自然のそば)
- by me / by your side(人のそば)
例文:
- She stood by the door, waiting.
(彼女はドアのそばに立って待っていた。) - They built a cabin by the lake.
(彼らは湖のほとりに小屋を建てた。) - I’ll always be by your side.
(私はいつもあなたのそばにいます。)← 比喩的な表現としても使われます。
このように、場所の描写や感情表現にも使えるのが「by」の大きな魅力です。
まとめ
前置詞「by」は、英語において非常に多機能で汎用性の高い語句です。今回紹介した2つの主要な使い方をまとめると、以下のようになります:
- 「〜によって」「〜で」:手段・方法・操作・交通・連絡手段を表す
- 「〜のそばに」「〜の隣に」:場所的な近接関係を表す
いずれの用法でも、「by」は文脈によって柔軟に解釈されるため、例文ごとにそのニュアンスを丁寧に捉えることが大切です。定型句やコロケーションも多いので、セットで覚えておくと、英語表現の幅が大きく広がります。
「by」をマスターすれば、日常英会話からビジネス文書、さらには文学的表現まで、幅広い場面で自然な英語が使えるようになります。今日から実践に取り入れて、使いこなしていきましょう!
使い方3:受動態での行為者を示す
「by」は、英語の受動態(受け身)の文で、動作を行う人や物、つまり“行為者”を示すために使われます。多くの受動態の文では「〜によって」という意味で訳されることが多く、非常に重要な文法要素です。
たとえば「その本は彼によって書かれた」という場合、「by him」が行為者を示しています。英語では “The book was written by him.” のようになります。
この使い方は、文章の主語が動作の受け手であることを強調したいときに非常に有効です。学術的な文章や報道文、ビジネス文書など、フォーマルな文脈でも多用される構文です。
例文と解説
He was knocked down by a bus.
彼はバスにひかれた。
→ この文は受動態(was knocked down)を使い、動作主である「バス(a bus)」を「by」を用いて示しています。
A play by Ibsen
イプセンによる戯曲
→ この表現は、省略された受動構文に近く、「A play that was written by Ibsen(イプセンによって書かれた戯曲)」の短縮表現と考えられます。
Who’s that book by?
あの本は誰の作品ですか?
→ カジュアルな場面で使われる口語表現。作者が誰かを尋ねるときに「by」を用いる典型例です。
I was frightened by the noise.
私はその物音に驚かされた。
→ 「fritghtened」は感情を表す受動態の動詞で、何によって驚いたのかを「by」で示しています。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この「by」は主に以下のような語句と組み合わさることが多くあります。
- 動作主を表す名詞(a bus, the artist, the government など)
- 感情を引き起こす要因(the news, the noise, her words)
- 創作物の作者名(Shakespeare, Mozart, Van Gogh)
例:
- A novel by Haruki Murakami(村上春樹による小説)
- The painting was admired by everyone.(その絵画は皆に賞賛された)
- She was touched by his kindness.(彼の優しさに心を打たれた)
このように、感情表現や創作物、または具体的な動作主など、幅広いジャンルの語句と柔軟に組み合わさるのが「by」の大きな特徴です。
使い方4:期限・締め切りを示す「by」
この用法の「by」は、「〜までに」「〜の時点で」といった意味で、期限や締め切り、完了時点を示す際に非常によく使われます。
基本的には、「ある時刻・日付・期間の直前またはその時点までに何かが完了している」ことを伝える役割を持ちます。
この「by」は、TOEICやビジネス英語でも頻出する重要表現であり、納期、提出期限、予定などを明確に伝えるのに欠かせません。また、日常英会話でも「by tomorrow(明日までに)」や「by now(もう今頃は)」などで使われる、非常に馴染み深い表現です。
例文と解説
Can you finish the work by five o’clock?
5時までにその仕事を終えられますか?
→ 「by five o’clock」で「5時という締切時点までに」という意味を示しています。このように、締め切りを明確に伝えるときに使われます。
I’ll have it done by tomorrow.
明日までにはそれを終わらせます。
→ 「by tomorrow」は「明日のどこかの時点までに」という意味で、未来の完了を表す助動詞「will have」とともによく使われます。
By this time next week, we’ll be in New York.
来週の今ごろには私たちはニューヨークにいるでしょう。
→ 「by this time next week」は「来週のこの時間までには」という未来のある時点を示し、完了のニュアンスを持っています。
He ought to have arrived by now.
彼はもう着いていてもいいはずだ。
→ 「by now」は「今ごろには」という意味で、予想される進行や完了を表します。
By the time this letter reaches you, I will have left the country.
この手紙が君に届くころには、私はもうこの国を離れているだろう。
→ 「by the time」は「〜するまでに」という時点を示す構文で、未来完了形と非常に相性がよく、少しフォーマルな印象を持ちます。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法の「by」は、以下のような時間を表す語句と組み合わさることが多いです。
- by tomorrow(明日までに)
- by now(今ごろには)
- by noon(正午までに)
- by Monday(月曜日までに)
- by the time…(〜するまでに)
例:
- Please submit the report by Monday morning.
(月曜の朝までにレポートを提出してください) - We should be finished by the end of the week.
(今週の終わりまでには終わるはずです) - You’ll need to pay the bill by the 10th.
(10日までにその請求書を支払う必要があります)
このように、「by + 時間表現」は「その時点までに完了」というニュアンスで覚えておくと、文脈に応じた適切な使い方ができます。
使い方5:原因・理由・手段・状況を表す「by」
この用法の「by」は、「〜によって」「〜という手段で」「〜の結果として」といった意味を持ちます。
特に「by chance(偶然に)」「by mistake(間違えて)」「by design(意図的に)」などのように、ある出来事がどのような原因・理由・手段・状況で起こったのかを説明するフレーズとして頻繁に使われます。
この表現は、日常会話からビジネス英語、学術的な文脈に至るまで幅広く登場します。基本的に「by + 名詞(抽象名詞が多い)」の形で用いられ、「その名詞が原因・きっかけ・手段である」という情報を添え加える役割を果たします。
例文と解説
They met by chance.
彼らは偶然に出会った。
→ 「by chance」は、「偶然という状況によって出会った」という意味で、出会いのきっかけや状況を説明しています。
I did it by mistake.
それを間違えてやってしまった。
→ 「by mistake」は、「ミスによって」という意味。意図せずに何かをしてしまった場合によく使います。
The coroner’s verdict was ‘death by misadventure’.
検視官の判定は「不慮の事故による死」だった。
→ 法律用語やニュースなどで見かける表現で、「by misadventure(不慮の事故によって)」のように、原因を明確にする語句です。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法では、以下のような抽象名詞や慣用句と組み合わせて使われることが多いです。
- by chance(偶然に)
- by mistake(間違えて)
- by accident(事故で、うっかり)
- by design(意図的に)
- by force(力ずくで)
- by luck(運良く)
- by misadventure(不慮の事故で)
例:
- He broke the window by accident.
(彼はうっかり窓を割ってしまった) - The escape was planned by design.
(その脱走は意図的に計画されたものだった) - She got the job by luck.
(彼女は運良くその仕事を手に入れた)
このように、「by + 抽象名詞」の形は、出来事の背後にある見えない要因や状況を語るのに便利な表現です。
使い方6:程度や差異を表す「by」
この用法の「by」は、「〜の差で」「〜だけ(数量・程度)」という意味を持ち、何かがどれくらい異なるか、どの程度ずれているかを表すときに使われます。特に距離、時間、割合、程度などの具体的な数値や程度を述べるときに非常に有効です。
この「by」は、「何かが他と比べて、ある範囲や値の差で異なる」ことを明確に示します。ビジネス英語やニュース記事、学術論文でも頻出する表現です。
例文と解説
The bullet missed him by two inches.
その弾は彼の体を2インチ外れた。
→「by two inches」は「2インチの差で当たらなかった」という意味。非常に接近したが結果的には回避できたことを示します。
House prices went up by 10%.
住宅価格が10%上昇した。
→「by 10%」は、価格の上昇幅・変化の程度を表しています。「〜%分だけ」という訳になります。
He won the race by just a second.
彼はほんの1秒差でレースに勝った。
→ 「by just a second」は、「たった1秒の差で」というニュアンスで、非常に僅差だったことを伝えます。
It would be better by far to wait.
待つほうがずっと良いだろう。
→「by far」は「はるかに、断然」という意味で、程度の強調を表します。比較級や最上級と相性がよく、強調語としてよく用いられます。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法では、数値や比較級、程度を示す語と一緒によく使われます。以下は代表的な組み合わせです。
- by an inch/a mile(1インチ/1マイルの差で)
- by 10%/50%(○%の変化)
- by a second/minute/hour(時間の差で)
- by far(断然・はるかに)
- by a narrow/wide margin(僅差/大差で)
例:
- The team won by a narrow margin.
(そのチームは僅差で勝利した) - Profits increased by 30% compared to last year.
(利益は昨年と比べて30%増加した) - She is by far the best candidate.
(彼女は断然最適な候補者だ)
このように、「by + 数値・程度語」は、**比較や変化の「幅・差・度合い」**を明確に伝えるのに便利です。
使い方7:状況や時間帯を表す「by」
この用法の「by」は、「〜の状況で」「〜の方法で」といった意味を持ち、ある出来事が起こる環境や時間帯、手段を表すのに使われます。特に「by day(昼に)」「by night(夜に)」「by candlelight(ろうそくの灯りで)」のように、「時間帯や状態の名詞」とセットで使われます。
この意味の「by」は、何かが行われた「方法」や「手段」「条件・環境」を暗に示し、状況描写や時制のニュアンスを豊かにしてくれます。
例文と解説
We prefer to travel by night.
私たちは夜に移動するのを好む。
→「by night」は「夜に(夜間に)」という意味で、移動が夜に行われることを表しています。
They usually work by day and rest by night.
彼らは通常、昼に働いて夜に休む。
→「by day / by night」の対比により、日中と夜間の活動パターンを明確に示しています。
During the blackout, we read by candlelight.
停電中、私たちはろうそくの灯りで読書した。
→「by candlelight」は、「ろうそくの明かりによって」という手段・環境を表現しています。停電という背景と相性がよい表現です。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法での「by」は、「時間帯」や「環境・状態・手段」に関係する名詞とよく結びつきます。以下はよく見られる組み合わせです。
- by day / by night(昼に/夜に)
- by moonlight / by candlelight(⽉明かりで/ろうそくの灯りで)
- by sunlight / by lamplight(日光で/ランプの光で)
- by design(計画的に)
- by stealth(こっそりと、密かに)
例:
- He escaped by night, under cover of darkness.
(彼は夜に、闇に紛れて脱出した) - The artist painted the scene by moonlight.
(その画家は月明かりの下でその風景を描いた) - We managed to get through the situation by sheer luck.
(純粋な運によって、その状況を切り抜けた)
このように、「by + 名詞」で状況を柔らかく説明できるため、ナレーション的な文体や文学的な表現にも多く使われます。
使い方8:〜に従って/〜に基づいてを表す「by」
この用法の「by」は、判断や行動の基準、根拠となるものを示す前置詞です。日本語に訳すと、「〜に従って」「〜によれば」「〜に基づいて」という意味合いになります。
誰かの意見や発言、法律、時計、表情などを基準にした判断や行動の根拠を表現する時に使われます。
例文と解説
By my watch, it is two o’clock.
私の時計では、2時です。
→「by my watch」は、「自分の時計を基準にすると」という意味。時間に対する基準が「watch(時計)」であることを示しています。
I could tell by the look on her face that something terrible had happened.
彼女の表情からして、何か恐ろしいことが起きたのが分かった。
→「by the look on her face」は、「彼女の表情によって(から察して)」という意味で、判断の根拠を示しています。
By law, you are a child until you are 18.
法律上、18歳までは子どもです。
→「by law」は「法律によれば」という意味。法律を基準とした規定を表しています。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この使い方の「by」は、判断・基準・規則・根拠を表す名詞と結びつくことが多く、以下のような表現がよく使われます。
- by law(法律によって)
- by custom(慣習によって)
- by rule(規則によって)
- by the book(マニュアルどおりに)
- by the look / tone / feel(見た目・音調・感触からして)
- by one’s watch(〜の時計では)
例:
- By custom, guests bring a small gift.
(慣習では、客はちょっとした贈り物を持ってくる) - She did everything strictly by the book.
(彼女はすべてマニュアル通りに行った) - By the sound of it, he was upset.
(その音からすると、彼は動揺していたようだ)
このように「by」は、話し手の見解や外部のルール・仕組みに依拠して何かを判断・行動する場合に非常に便利な表現です。
使い方9:〜のそばを通って/通り過ぎてを表す「by」
この用法の「by」は、「〜のそばを」「〜の近くを」「〜を通って」や「〜の脇を通り過ぎて」という位置関係や動きを表す前置詞です。
人や物のそばを通り過ぎたり、横切ったりするような場面でよく使われます。
英語では、移動動詞(walk, run, drive など)と一緒に使われることが非常に多いのが特徴です。
例文と解説
He walked by me without speaking.
彼は私のそばを、話しかけることなく通り過ぎた。
→「walked by me」で「私のそばを歩いて通り過ぎた」。近くを通る動きを「by」で表現しています。
A car sped by the house at full speed.
車が家のそばを猛スピードで通り過ぎた。
→「sped by the house」は「家のそばをスピードを出して通り過ぎた」という描写です。
Don’t just walk by when someone needs help.
誰かが助けを必要としているときに、ただ通り過ぎるだけにしないで。
→「walk by」は「通り過ぎる」、つまり立ち止まらないことへの注意喚起として使われています。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この使い方では、主に場所や人を表す名詞と一緒に使われることが多く、以下のようなセット表現が頻出です。
- by me(私のそばを)
- by the house(家のそばを)
- by the river(川のそばを)
- by the window(窓のそばを)
- by the road(道路のそばを)
- by the gate(門のそばを)
例:
- She ran by the river every morning.
(彼女は毎朝川沿いを走った) - He sat quietly by the window, reading a book.
(彼は窓際に静かに座って本を読んでいた)
このように「by」は場所のそばを通る動きや、その近くにいる状態をナチュラルに表すのに非常に便利です。英会話でも使いやすく、よく耳にする表現です。
使い方10:〜の一部をつかんで、〜の部分を使ってを表す「by」
この「by」は、「体や物のある部分を使って」「その部分をつかんで」「持って」何かをするという意味で使われます。
動作の際に「どこを使って」や「どこをつかんでいるか」という接触部位・手段を示すのが特徴です。
英語では、take, hold, grab, pull, pick upなどの動作動詞と一緒に用いられるのが一般的です。
例文と解説
I took him by the hand and led him outside.
私は彼の手をつかんで外へ連れて行った。
→「by the hand」は「手をつかんで」。物理的な接触部位を示しています。
She grabbed him by the collar.
彼女は彼の襟をつかんだ。
→「by the collar」で「襟を使って(つかんで)」という意味になります。
He picked up the suitcase by the handle.
彼は取っ手をつかんでスーツケースを持ち上げた。
→「by the handle」で「取っ手の部分を使って」という手段・部位を表しています。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この使い方では、「by + 身体や物の部位を表す名詞」が定番パターンです。以下のような組み合わせが頻出です:
- by the hand(手をつかんで)
- by the arm(腕をつかんで)
- by the hair(髪をつかんで)
- by the collar(襟をつかんで)
- by the neck(首をつかんで)
- by the handle(取っ手を使って)
- by the tail(しっぽをつかんで)
例:
- The child pulled the toy by the tail.
(その子はおもちゃのしっぽを引っ張った) - He held the cup by the handle.
(彼はカップの取っ手を持った)
この表現は、日常会話だけでなく物語や描写文でもよく使われます。動作のリアルさを表現するのに効果的です。
使い方11:単位や期間を示す「by」
この用法の「by」は、「〜ごとに」「〜単位で」「〜あたりで」といった意味を持ちます。
数量や時間、金額などの単位を表す名詞の前に置かれ、売買・支払い・計量などの基準を示すのが特徴です。
「by the 〜」という形で使われ、「1時間ごと」「1メートル単位で」「日割りで」など、数量や頻度、基準の明示に用いられます。
例文と解説
We rented the car by the day.
私たちは車を1日単位で借りた。
→「by the day」で「日単位(1日ごと)」の契約であることを表しています。
They’re paid by the hour.
彼らは時給で支払われている。
→「by the hour」で「1時間単位(時給)」という意味になります。
We only sell the fabric by the metre.
この布はメートル単位でのみ販売しています。
→「by the metre」で「1メートル単位」という販売形式を示しています。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法では、「by + the + 単位名詞」が基本の形です。以下のような例がよく使われます:
- by the hour(時間単位で → 時給など)
- by the day(1日ごとに)
- by the week(週単位で)
- by the metre(メートル単位で)
- by the litre(リットル単位で)
- by the kilo(キロ単位で)
- by the piece(1つずつ)
- by the bottle(1本単位で)
例:
- The babysitter is paid by the hour.
(ベビーシッターは時給制です) - We buy our wine by the bottle, not by the glass.
(ワインはグラスではなくボトルで買います)
この表現はビジネスや日常生活の会話でも頻繁に登場するので、覚えておくと便利です。
使い方12:何かが進行する速度や割合を示す「by」
「by」は進行の速度や割合を示す際にも使われます。この場合、何かが進む速度や程度を表現するために使用され、通常は時間の単位や数量と一緒に使われます。何かがどれくらい早く進んでいるか、または何かの進行の割合を示すときに非常に便利です。
例文と解説
They’re improving day by day.
彼らは日々改善しています。
→ここでは「day by day」を使うことで、改善が日ごとに進んでいることを示しています。進行が毎日少しずつ、着実に進んでいるという意味です。
We’ll do it bit by bit.
少しずつそれを進めていきます。
→「bit by bit」は「少しずつ、段階的に」という意味で、物事が徐々に進行していく様子を表現しています。大きな作業や目標を、小さな部分に分けて進めるイメージです。
It was getting worse by the minute.
それは分単位で悪化していました。
→ここでの「by the minute」は、分単位でどんどん悪化していることを強調しています。非常に急速に悪化している様子を示しています。
The children came in two by two.
子供たちは二人ずつやってきました。
→「two by two」は、二人ずつグループでやってきたという意味です。この表現は、一定の割合や人数単位で何かが起こるときに使います。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
「by」を使って進行の速度や割合を示すフレーズは、日常的によく使われます。以下のフレーズと一緒に使われることが多いです。
- by the hour(時間単位で)
- by the day(1日単位で)
- by the second(秒単位で)
- by the week(週単位で)
例:
- The company is growing by the hour.
(その会社は時間単位で成長しています) - We are getting better by the day.
(私たちは日々良くなっています) - The situation was worsening by the second.
(その状況は秒単位で悪化していました)
使い方13:何かのサイズや寸法について「by」
「by」は、物のサイズや寸法を表す際にも使われます。この用法では、物の長さや幅、高さなどを示す際に「by」を使い、二つの異なる寸法を示すために使われることが一般的です。通常、二つの数値を「by」で繋げて、物の形状や大きさを伝える表現が多く見られます。
例文と解説
The room measures fifteen feet by twenty feet.
その部屋の大きさは、15フィート×20フィートです。
→「by」を使って二つの寸法を繋げており、部屋の長さと幅が示されています。部屋の大きさを表す際に「by」を使うことが一般的です。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
物のサイズや寸法を表す際、以下の言葉とよく一緒に使われます。
- feet by inches(フィート×インチ)
- meters by centimeters(メートル×センチメートル)
- yards by feet(ヤード×フィート)
例:
- The table is five feet by three feet.
(そのテーブルは5フィート×3フィートです) - The canvas measures two meters by two meters.
(そのキャンバスの大きさは2メートル×2メートルです) - The box is three yards by four feet.
(その箱の大きさは3ヤード×4フィートです)
使い方14:掛け算や割り算における「by」
「by」は、掛け算や割り算の表現にも使われます。この用法では、数値と**計算の種類(掛け算や割り算)**を表す際に「by」を使い、計算式の一部として機能します。特に、掛け算や割り算を行う場合に、計算される値や割られる値を示すために「by」を用います。
例文と解説
6 multiplied by 2 equals 12.
6 と 2 を掛け算すると 12 になります。
→ この例では、「by」を用いて、6 と 2 の掛け算を表しています。「by」は「掛け算の対象」と「掛け算する数」を繋げる役割を果たしています。
6 divided by 2 equals 3.
6 を 2 で割ると 3 になります。
→ この場合も、「by」は割り算の対象を示しており、6 を 2 で割った結果を示しています。割り算を行う際に「by」を使う表現です。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
掛け算や割り算で使われる「by」は、以下のような言葉とよく組み合わさります。
- multiplied by(掛け算)
- divided by(割り算)
例:
- 10 multiplied by 3 equals 30.
(10 と 3 を掛け算すると 30 になります) - 12 divided by 4 equals 3.
(12 を 4 で割ると 3 になります)
使い方15:出身地や職業に関連する「by」
「by」は、出身地や職業を表すときにも使われることがあります。この場合、人がどこから来たのかやどんな職業を持っているのかを表すために「by」を使います。この用法では、生まれた場所や職業的な背景に焦点を当てています。
例文と解説
He’s German by birth.
彼は生まれがドイツです。
→ この例では、「by」は「生まれ」を示すために使われています。生まれた場所や国籍を表す表現です。
They’re both doctors by profession.
彼らは両方とも職業として医者です。
→ ここでは「by profession」が使われており、「職業として医者である」ことを表しています。職業を表現する際に「by」を使うことで、その人物の仕事や専門性を示しています。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この「by」は、以下のような言葉とよく組み合わさります。
- by birth(生まれが〜)
- by profession(職業として〜)
例:
- By birth he is a New Yorker.
(彼は生まれがニューヨークです) - By profession, she is an artist.
(彼女は職業として芸術家です)
使い方16:誓いに関連する「by」
「by」は、誓いや約束を表す時にも使われます。この場合、「by」は神や偉大な存在の名のもとに誓うことを示すために使われます。特に、神に対して誓うときに頻繁に使われます。
例文と解説
I swear by Almighty God that I will tell the truth.
私は全能の神に誓って、真実を話すことを誓います。
→ この例では、「by Almighty God」が使われており、「神の名のもとに誓う」という意味を持っています。誓いを立てる際に、神や神聖な存在を引き合いに出すことで、その誓いの強さや真剣さを表現しています。
補足:この「by」はどんな言葉とよく組み合わさる?
誓いに関連する「by」は、特に**「Almighty God」や「the Lord」**などの神の名前と一緒に使われます。以下のような表現があります。
- swear by God(神に誓う)
- swear by the Lord(主に誓う)
例:
- I swear by God that I will never lie again.
(私は神に誓って、二度と嘘をつかないことを誓います) - He swore by the Lord to uphold the law.
(彼は主に誓って、法律を守ることを誓いました)
この記事を書いた人

- イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。