前置詞「near」の奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語学習者や指導者の間で頻繁に登場する前置詞の一つ「near」。一見シンプルな単語ですが、「距離」「時間」「数量」「類似性」「状態」など、非常に多様な文脈で使われる奥深い表現です。本記事では、Oxford Learner’s Dictionariesの定義に基づき、「near」の多彩な用法とその実例をわかりやすく解説していきます。


使い方1:物理的な「近さ」を表す – 「…の近くに」

「near」の最も基本的で広く使われる用法は、「物理的な距離が近い」ことを表す表現です。この意味での「near」は、場所や人に対して使われ、「〜の近くに」と訳されます。また、「to」を伴って「near to」の形で用いられることもありますが、現代英語では「to」を省略する形も一般的です。日常会話からビジネスシーン、観光ガイドなど、さまざまな状況で登場します。

例文と解説

Do you live near here?
あなたはこの近くに住んでいますか?
→「near here」は「この場所の近くに」という意味で、よく使われる表現です。

Go and sit nearer (to) the fire.
行って、もっと火のそばに座りなさい。
→「nearer」は比較級で「もっと近くに」という意味。「to」は省略可ですが、補っても問題ありません。

There’s a convenience store near my apartment.
私のアパートの近くにコンビニがあります。
→「near + 名詞」で、「〜の近くに」という意味を形成しています。

He parked his car near the entrance.
彼は入口の近くに車を停めた。
→「near the entrance」で「入口のそばに」となります。

この用法では、話し手と聞き手の「基準となる位置」を共有していることが多く、空間認識を共有したコミュニケーションにおいて極めて重要な表現となります。

補足:この「near」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この用法の「near」は、以下のような言葉とよく組み合わさります。

  • near here(この近くに)
  • near the station(駅の近くに)
  • near the entrance(入口の近くに)
  • near my house(私の家の近くに)
  • near the border(国境近くに)
  • near the airport(空港のそばに)

また、比較級「nearer」や最上級「nearest」もよく使われます:

  • nearer to the truth(真実により近い)
  • the nearest supermarket(最寄りのスーパーマーケット)

使い方2:時間的な「近さ」を表す – 「…に近い時期に」

前置詞「near」は物理的な距離だけでなく、時間的な近接を表す際にも使われます。この場合、「〜に近い時期」「〜の直前」といった意味を持ちます。特定の出来事や日付に近づいているタイミングで使われ、口語でも書き言葉でも自然に登場する便利な表現です。

「near」単独でも、「near to the time」などと「to」を加えた形でも使えますが、口語では「to」は省略されることが多いです。


例文と解説

My birthday is very near Christmas.
私の誕生日はクリスマスのすぐ近くです。
→「very near Christmas」は「クリスマスにとても近い時期」という意味です。

I’ll think about it nearer (to) the time.
その時期が近づいたら考えます。
→「nearer to the time」は「その時が近づいたころに」の意味。toは省略可能です。

We usually start decorating near the end of November.
私たちは通常、11月の終わりごろに飾り付けを始めます。
→「near the end of…」で「…の終わりごろに」という意味。

Let’s meet again near the deadline.
締め切りの近くにまた会おう。
→具体的な日付が決まっていない場合に、「締め切りに近い頃」と表現できます。

この用法では、イベントや予定、特定の時期に関連した表現と組み合わせることで、柔軟かつ自然なニュアンスを伝えることができます。


補足:この「near」はどんな言葉とよく組み合わさる?

時間的な意味での「near」は、以下のような単語とよく一緒に使われます:

  • near Christmas(クリスマスの近くに)
  • near the weekend(週末の近くに)
  • near the end of the year(年末ごろ)
  • nearer the time(その時期が近づいたころに)
  • near the deadline(締め切りの近くに)

また、「closer to the event(イベントの直前)」や「just before」の代わりとして使われることも多いため、スケジュール調整の会話などで重宝されます。

使い方2:時間的な「近さ」を表す – 「…に近い時期に」

前置詞「near」は物理的な距離だけでなく、時間的な近接を表す際にも使われます。この場合、「〜に近い時期」「〜の直前」といった意味を持ちます。特定の出来事や日付に近づいているタイミングで使われ、口語でも書き言葉でも自然に登場する便利な表現です。

「near」単独でも、「near to the time」などと「to」を加えた形でも使えますが、口語では「to」は省略されることが多いです。


例文と解説

My birthday is very near Christmas.
私の誕生日はクリスマスのすぐ近くです。
→「very near Christmas」は「クリスマスにとても近い時期」という意味です。

I’ll think about it nearer (to) the time.
その時期が近づいたら考えます。
→「nearer to the time」は「その時が近づいたころに」の意味。toは省略可能です。

We usually start decorating near the end of November.
私たちは通常、11月の終わりごろに飾り付けを始めます。
→「near the end of…」で「…の終わりごろに」という意味。

Let’s meet again near the deadline.
締め切りの近くにまた会おう。
→具体的な日付が決まっていない場合に、「締め切りに近い頃」と表現できます。

この用法では、イベントや予定、特定の時期に関連した表現と組み合わせることで、柔軟かつ自然なニュアンスを伝えることができます。


補足:この「near」はどんな言葉とよく組み合わさる?

時間的な意味での「near」は、以下のような単語とよく一緒に使われます:

  • near Christmas(クリスマスの近くに)
  • near the weekend(週末の近くに)
  • near the end of the year(年末ごろ)
  • nearer the time(その時期が近づいたころに)
  • near the deadline(締め切りの近くに)

また、「closer to the event(イベントの直前)」や「just before」の代わりとして使われることも多いため、スケジュール調整の会話などで重宝されます。

使い方3:数量における「近さ」を表す – 「おおよそ〜」「〜に近い」

この使い方では、「near」は数値や統計、金額などに対して使われ、**「おおよそ〜」「〜に近い」**といった意味を持ちます。これは「around」や「approximately」とほぼ同じ意味で使われますが、「near」はやや文語的で、特にニュースや報告書などでよく見られる表現です。

この使い方は、数量や数値がある基準点に「近い」ことを示したいときに便利です。例えば、売上や温度、人数、年齢など、さまざまな場面で使用できます。


例文と解説

Share prices are near their record high of last year.
株価は昨年の最高値に近づいている。
→ 「near their record high」で、「過去の最高値に近い」ことを意味します。

Profits fell from $11 million to nearer $8 million.
利益は1100万ドルから、800万ドルに近い金額まで落ちた。
→ 「nearer $8 million」は「800万ドルに近い」という概算的な表現です。

Temperatures reached near 40 degrees Celsius today.
今日は気温が摂氏40度近くまで上がった。
→ 「near 40 degrees」で「約40度に近い」ことを表します。

The population of the city is near 2 million.
その都市の人口は約200万人です。
→ 「near 2 million」で、正確な数ではないが「200万に近い」ことを表しています。

このように、「near」はおおよその数字を伝える際の便利なツールとなり、正確な数を知らなくても情報を伝えることができます。


補足:この「near」はどんな言葉とよく組み合わさる?

数量的な「near」は、以下のような語と一緒に使われることが多いです:

  • near + 数値(near 100, near 2 million など)
  • near + 数量表現(near record high, near average, near maximum など)
  • near + 温度・年齢(near 30 degrees, near 70 years old)

また、「nearer」を使って比較的に「〜より近い」と表現することもあります(例:nearer $10,000 than $15,000)。

使い方4:類似・近似性を表す – 「〜に近い」「〜に匹敵する」

この用法では、「near」は人や物の性質・程度などが他の何かに非常に近いことや似ていることを表します。「ほとんど〜と同等」「匹敵する」「〜に迫る」といったニュアンスを含み、比較表現にもなりやすいです。

この「near」は、直接の物理的距離ではなく、抽象的な比較や評価を表す点が特徴です。知性、年齢、色味、パフォーマンスなど、質的な面でも幅広く応用できます。


例文と解説

Nobody else comes near her in intellect.
知性において彼女に匹敵する人はいない。
→ 「come near her in intellect」で、「彼女の知性に近づくほど優秀な人はいない」という意味です。

He’s nearer 70 than 60.
彼は60歳というより、むしろ70歳に近い。
→ 年齢の「近似値」として使われ、「nearer A than B」で「BよりもAに近い」という比較の表現です。

This colour is nearest (to) the original.
この色が元の色に最も近い。
→ 「nearest (to)」は最上級表現で、「最も近い」という意味になります。

Her performance came near perfection.
彼女の演技は完璧に近かった。
→ 「came near perfection」で、「ほぼ完璧」と評価しています。

このように、「near」は単なる距離の話にとどまらず、精神的・抽象的な類似や近さを描写する強力な表現です。


補足:この「near」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この用法で「near」とよくセットで使われる語は以下の通りです:

  • near + 完璧(near perfection)
  • near + 年齢(near 70, nearer 40 than 30)
  • near + 感情・能力・知性など(near genius, near tears, near madness)
  • near + 最上級形容詞(near the best, near the worst)

「nearer〜than…」や「nearest to〜」といった比較や最上級の形も日常的に使われます。

使い方5:状態に近づく – 「もう少しで〜するところ」「〜しかける」

この用法では「near」は、何かが起こりそうな状態、またはすでに非常に近い段階にあることを表します。つまり、ある状態や出来事の「手前」「直前」まで来ていることを示す、感情や行動に関する表現でよく使われます。

この構文では、「be near doing something」「come near to doing something」「be near to+名詞」などの形が一般的です。どれも「ほとんど〜しかける」「〜に近づいている」という含みを持っています。


例文と解説

She was near to tears.
彼女は泣きそうだった。
→ 「near to tears」で「涙をこぼしそうなほど感情的になっている」状態です。

We came near to being killed.
私たちはもう少しで殺されるところだった。
→ 「come near to being killed」で「非常に危険な状況だった」という強い意味合いがあります。

a state near to death
死にかけの状態
→ 「state near to death」で、命の終わりに非常に近いことを示しています。

He was near collapsing from exhaustion.
彼は疲労で倒れそうだった。
→ 「near collapsing」で「もうすぐ倒れそうな状態」を描写しています。

このように、「near」は実際の行為の一歩手前の段階や、感情的な限界を伝える際に非常に便利な前置詞です。


補足:この「near」はどんな言葉とよく組み合わさる?

この使い方で「near」とセットになりやすい語は以下の通りです:

  • near to + tears(泣きそう)
  • near to death(死にかけ)
  • near collapse(崩れ落ちそう、倒れそう)
  • near exhaustion(極度の疲労)
  • near doing something(〜しそうになる)

特に「感情(tears, rage)」や「体調(collapse, fainting)」、「危機的な状況(being killed, death)」と結びつくケースが多いです。英語ではこのような表現を使うことで、危機感や切迫感をリアルに伝えることができます。

この記事を書いた人

いぎリス
いぎリス
イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。