前置詞「out of」の奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語の前置詞「out of」は、一見シンプルな表現ですが、実は多くの意味と使い方を持つ非常に多機能な語句です。今回はOxford Learner’s Dictionariesに基づき、「out of」の12の用法を丁寧に解説していきます。英会話や英作文の中で自然に使えるよう、例文や使われやすい表現も豊富に紹介します。
使い方1:ある場所・物の「中から外へ」出る動きを表す
この用法の「out of」は、「〜の中から外へ出る」という動作や移動を表現する前置詞です。最も基本的な意味のひとつで、具体的な場所から何かが出てくる場面でよく使われます。「in」や「into」と対になるイメージで覚えると理解しやすいでしょう。
この「out of」は、特に物理的な空間における移動や行動に関して使われます。「箱の中から」「部屋の中から」「車の中から」など、対象の「内側」から「外側」への動きを強調する際に登場します。
例文と解説
I got out of bed.
私はベッドから出ました。
→ 「out of bed」は「ベッドの中から外へ」という動き。寝ている状態から起きて行動を始めるイメージです。
She climbed out of the car.
彼女は車から降りた。
→ 車の中という囲まれた空間から、外に出る様子を「climbed out of」で表現しています。
The cat jumped out of the box.
その猫は箱の中から飛び出した。
→ 具体的な箱という空間の中から飛び出す動きを、自然に描写しています。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この基本的な使い方の「out of」は、以下のような「囲まれた空間」や「内部構造」を持つ名詞とよく一緒に使われます。
- out of bed(ベッドから)
- out of the house(家から)
- out of the car(車から)
- out of the box(箱から)
- out of the room(部屋から)
これらはすべて、「何かが内部から外へ出る」動きと非常に相性が良い組み合わせです。特に英会話では、「起きる」「出かける」「降りる」など、日常的な行動とセットで頻繁に登場します。
使い方2:人が「不在」であること、特定の場所に「いない」ことを示す
この使い方では、「out of」は「〜にいない」「〜を離れている」という意味で使われます。特に「家」や「職場」「街」など、日常的にいるべき場所を一時的に離れている場合に頻出です。「〜を出てどこかに行っている」状態を自然に表すことができます。
会話では、「He’s out of town.(彼は今、町にいない)」のように、行方や現在地を伝えるときによく使われます。ビジネスシーンでも、「out of office(不在)」は自動返信メールなどで見かける表現です。
例文と解説
Mr Green is out of town this week.
グリーンさんは今週は町にいません。
→「out of town」は「町を離れている」、つまり出張や旅行などで不在という意味です。
She’s out of the office until Monday.
彼女は月曜日までオフィスにいません。
→「out of the office」は職場を一時的に離れていることを示します。ビジネスメールなどでよく見かける表現です。
My parents are out of the house right now.
両親は今、家にいません。
→「out of the house」は、家に不在であることを自然に伝えています。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法の「out of」は、次のような「普段いるべき場所」とセットでよく使われます。
- out of town(町を離れて)
- out of the office(職場にいない)
- out of the house(家にいない)
- out of school(学校にいない)
- out of the country(国外にいる)
これらはいずれも、人が通常いる場所を一時的に離れていることを伝える定番の表現です。ビジネス・日常会話の両方で広く使われています。
使い方3:場所・職・立場から「追い出される」、または「取り除かれる」ことを示す
この用法では、「out of」は「〜から外へ出される」「〜から除かれる」という意味で使われます。これは、自発的な行動ではなく、外部からの力や状況によってその場所や地位を失うことを表現するときに頻繁に用いられます。
たとえば、「彼はレストランから追い出された」は英語で「He got thrown out of the restaurant」と表現されます。このように、「out of」は、ある場所や職務などからの排除・退出をリアルに伝える働きを持っています。
例文と解説
He got thrown out of the restaurant.
彼はレストランから追い出された。
→「thrown out of」は「〜から追い出される」という意味の定型表現で、「強制的に外に出される」ことを示します。
She was kicked out of the team for breaking the rules.
彼女はルール違反でチームを追放された。
→「kicked out of」も同様に、「〜から追放される」という表現で、スポーツチームやグループからの除名を表すときに使われます。
He was fired out of his position as manager.
彼はマネージャーの職を解任された。
→ここでは「fired out of his position」として、職を失うことが「out of」で表されています。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法では、次のような言葉と一緒によく使われます:
- thrown out of(〜から追い出される)
- kicked out of(〜から追放される)
- fired out of(〜の職を解任される)
- forced out of(〜から強制的に辞めさせられる)
- removed out of(〜から外される)
「out of」はこのような動詞と組み合わせることで、強制的に除外されるニュアンスを明確に伝えることができます。
使い方4:窓やドアなどの縁から“外へ身を乗り出す・出す”ことを表す
この用法の「out of」は、建物や乗り物などの“縁”や“開口部”から外側へ出る動作を表します。「〜の外へ」「〜の外側に」という空間的なイメージが強く、特に「窓」「ドア」「車」などと一緒に使われることが多いです。
例えば「窓から顔を出す」「電車のドアから外に出る」といった動作の英語表現では、「out of the window」や「out of the train door」などが使われます。この使い方は、物理的な位置の変化をダイレクトに描写するのに最適です。
例文と解説
Don’t lean out of the window.
窓から身を乗り出してはいけません。
→「lean out of the window」で「窓から体を乗り出す」という意味になります。安全上の注意や警告の文脈でよく使われます。
He looked out of the car.
彼は車の外を見た。
→「looked out of」は、「〜の外を見る」という意味の定番の表現です。車や建物の内部から外に目を向ける場面で使われます。
The cat jumped out of the box.
猫が箱から飛び出した。
→この文では、物理的な動作として「箱の中から外へジャンプする」様子を「out of」で表現しています。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この意味での「out of」は、以下のような名詞と非常によく組み合わされます:
- window(窓)
- door(ドア)
- car(車)
- box(箱)
- train(電車)
- plane(飛行機)
また、よく使われる動詞は以下の通りです:
- lean out of(身を乗り出す)
- look out of(外を見る)
- jump out of(飛び出す)
- fall out of(落ちる)
この使い方は視覚的にとてもわかりやすく、日常会話でも頻出する重要表現です。
使い方5:〜から生じる、〜から出てくる(由来や出所を示す)
この用法の「out of」は、何かがどこから出てきたのか、その出所・由来・起点を表す前置詞として使われます。ここでは、物理的な出所(「瓶からビールを飲む」など)だけでなく、抽象的な起点(「童話のようなロマンス」など)も含まれます。
たとえば、「彼は瓶からビールを飲んだ」は物理的な動作ですが、「まるで童話のような物語だ」は想像的・比喩的な起点を表す用法です。このように、「out of」は非常に柔軟で、多彩な意味合いを持つ表現です。
例文と解説
He drank his beer out of the bottle.
彼は瓶からビールを飲んだ。
→ここでは、「out of the bottle」が「瓶の中から(ビールを)取り出して飲んだ」という意味です。
A romance straight out of a fairy tale.
まるでおとぎ話から抜け出してきたような恋愛。
→この文の「out of」は比喩的な表現で、「おとぎ話を出所とするような=夢のような」という意味合いを含みます。
We’ll get the truth out of her.
私たちは彼女から真実を引き出すつもりだ。
→この場合、「out of」は人物を出所と見立てて、「彼女の中から真実を引き出す」という意味になっています。尋問や説得の場面などで使われる表現です。
I paid for the damage out of my savings.
私はその損害を貯金から支払った。
→金銭的な出所を示す用法で、「自分の貯金の中から支払った」と説明できます。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この意味の「out of」は、以下のような名詞と頻繁に一緒に使われます:
- the bottle(瓶)
- a fairy tale(おとぎ話)
- her/him(人:情報・真実などを引き出す時)
- my pocket/savings/wallet(お金の出所)
- a book/story(比喩的な出所)
動詞としては以下の組み合わせがよく見られます:
- drink out of(〜から飲む)
- get something out of someone(誰かから何かを引き出す)
- come out of(〜から現れる)
- pay out of(〜から支払う)
この表現は、物理的・心理的・金銭的な出所や起源を示すときに非常に有用です。
使い方6:〜から作られている(材料・素材を表す)
この用法では、「out of」はある物がどの材料・素材からできているかを示します。意味としては、「~を原料として」「~から作られた」と訳され、特に目に見える形で物理的に加工された物に対して使われることが多いです。
例えば、「青銅でできた像」や「紙で作られた船」など、目に見える物質的な素材に注目して「その物が何からできているのか」を明確にする表現です。
例文と解説
A statue made out of bronze.
青銅で作られた像。
→「made out of」は「〜で作られている」という意味で、「青銅」という材料からその像が作られたことを表します。素材に注目した表現です。
She built a chair out of old wood.
彼女は古い木材から椅子を作った。
→ここでも「out of」が、椅子という製品がどの素材から作られたかを示しています。「old wood(古材)」が素材です。
The children made masks out of paper.
子どもたちは紙で仮面を作った。
→このように、日常会話や学校の活動でもよく使われる表現です。「paper(紙)」が素材で、「masks(仮面)」が作られた物です。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法では、「out of」は以下のような素材を表す名詞とよく組み合わされます。
- wood(木材)
- bronze(青銅)
- metal(金属)
- paper(紙)
- plastic(プラスチック)
- stone(石)
- recycled materials(リサイクル素材)
また、動詞としては次のようなものが多く見られます:
- make out of(〜で作る)
- build out of(〜で組み立てる)
- create out of(〜から創造する)
- craft out of(〜から手作りする)
この「out of」は、物理的な創作やクラフト、製造の文脈で非常によく使われる実用的な表現です。
使い方7:〜がない状態で(不足・欠如を表す)
この用法の「out of」は、何かが不足している、または完全に無くなっていることを表します。意味としては「〜を切らしている」「〜が尽きている」「〜が欠けている」などと訳されます。
この表現は日常会話で非常によく使われ、特に在庫・材料・状態などの欠如に関連した文脈で用いられます。
例文と解説
We’re out of milk.
牛乳を切らしています。
→「out of milk」は「牛乳がもうない」状態を表しています。家庭でよく使われる表現ですね。
He’s been out of work for six months.
彼は6か月間、失業中です。
→「out of work」は「職がない」という意味で、「失業している」「無職である」という表現になります。
You’re out of luck—she left ten minutes ago.
運がなかったね。彼女は10分前に出て行ったよ。
→「out of luck」は「運がない」「タイミングが悪い」という表現。「残念ながらもうチャンスがない」というニュアンスです。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この使い方の「out of」は、以下のような「状態」や「物品」を表す名詞と組み合わさることが多いです。
- milk / sugar / bread / gas / time(家庭や生活の必需品)
- money / energy / patience(抽象的な資源)
- work / luck / breath / shape(状態・状況)
また、以下のような定型表現としてもよく登場します:
- out of stock(在庫切れ)
- out of time(時間切れ)
- out of ideas(アイデアが尽きた)
- out of shape(体調が悪い、体力が落ちている)
この用法は、不足や喪失の状況をシンプルに伝える便利なフレーズなので、会話でもビジネスでも頻繁に登場します。
使い方9:関与・所属から外れて(関係を失う)
この用法の「out of」は、何かに属していた状態から離れること、つまり「関与しなくなる」「所属をやめる」「手を引く」などの意味で使われます。人や組織がある枠組みから抜け出すイメージで捉えると分かりやすいです。
退職、退学、引退など、「もうその一部ではない」という状態を表すときに便利な前置詞です。
例文と解説
It was an awful job and I’m glad to be out of it.
ひどい仕事だったので、それから解放されてうれしい。
→「out of it」は「それから抜け出した」という意味で、「仕事や関係性など嫌な状況から抜けること」によく使われます。
He gets out of the army in a few weeks.
彼は数週間で軍を除隊する。
→「get out of the army」は「軍から出る=除隊する」という意味。組織からの離脱を表しています。
She’s finally out of that toxic relationship.
彼女はついにあの有害な関係から抜け出した。
→ 「out of a relationship」のように、人間関係を断ったり終わらせたときにも使われます。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法の「out of」は、関係・所属・義務・関与などを示す名詞とよく組み合わされます。以下の語とセットで使われることが多いです:
- a job(職)
- the army / the military(軍)
- a relationship(人間関係)
- a contract(契約)
- the project(プロジェクト)
- trouble(問題)
定型句としては次のような表現があります:
- get out of something(〜から抜ける)
- be out of it(関与していない、抜けている)
精神的・物理的な「解放感」や「距離感」を表す場合にもよく使われるので、日常会話でも非常に使いやすいフレーズです。
使い方10:ある数・集合から〜(〜のうち)
この用法の「out of」は、全体の中の一部を示すときに使います。つまり、「○個中の○個」「〜人中の〜人」といった割合や統計、選択肢の中からの選出などを表現する際に使われる便利な前置詞です。
日常英会話でもテストの点数やアンケート結果、抽選や成功率などを表すときによく登場します。
例文と解説
You scored six out of ten.
あなたは10点中6点を取った。
→ 「ten(10点)」の中から「six(6点)」を取ったという意味。「out of」はこのようにテストの点数の説明に非常に頻繁に使われます。
Two out of three people think the President should resign.
3人中2人が大統領は辞任すべきだと考えている。
→ 「two out of three」は割合を示す表現。「全体の中の一部」という意味で、統計やアンケートでよく見られます。
Only one out of a hundred applicants got the job.
応募者100人のうちたった1人だけがその職を得た。
→ 「out of」は大きな集団の中の選ばれた一部、あるいは割合を示すときに用いられます。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法の「out of」は、数や比率に関連する語句と頻繁に組み合わされます。典型的なセットは以下の通りです:
- out of ten(10点中)
- out of three / five / one hundred(3人中/5人中/100人中)
- one out of X(Xのうち1人)
- two out of X(Xのうち2人)
また、動詞と一緒に使う場合も多く:
- score ~ out of ~(〜点中〜点を取る)
- choose ~ out of ~(〜の中から〜を選ぶ)
- get ~ out of ~(〜の中から〜を得る)
例文を自分の体験や話題に置き換えて練習すれば、会話でもすぐに使いこなせるようになります!
使い方11:距離・場所的に〜離れて
「out of」のこの用法は、物理的な距離や場所の位置に関する表現です。特に、ある場所から一定の距離があるという意味で使われます。遠くの場所や物理的な位置を指す際に非常に有効です。この用法では「out of」の後に距離の単位(マイルやキロメートル)が続くことが多いです。
例文と解説
The ship sank ten miles out of Stockholm.
その船はストックホルムから10マイル離れた場所で沈没した。
→ ここでは、「out of Stockholm」という表現が使われています。「Stockholm(ストックホルム)」という場所から10マイル離れた位置を指し示しています。
The plane flew out of sight.
飛行機は視界から消えた。
→ この文では「out of sight(視界から)」という表現が使われています。つまり、飛行機が視界の外に出たことを意味します。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この用法の「out of」は、距離や位置に関する語句と組み合わせてよく使われます。特に、距離を示す単位と一緒に使われるのが特徴です。以下のような組み合わせが一般的です。
- out of sight(視界から)
- out of reach(手の届かない場所に)
- out of distance(距離的に遠く)
- out of town(町を離れて)
- out of range(範囲外)
また、次のような表現も頻出です:
- miles out of (a place)(〜から数マイル離れて)
- minutes out of (a location)(〜から数分離れて)
- far out of (a place)(〜から遠く離れて)
このように、距離や位置の表現を使うことで、物理的な距離を明確に伝えることができます。
使い方12:理由・動機で〜によって(〜のために)
「out of」は理由や動機を示す際にも使われます。この場合、「out of」は動機や理由、感情から発せられた行動を指し、何かを行った理由や動機を明確に表現するために使用されます。特に、行動が「〜によって」または「〜のために」行われたことを伝える場合に使われます。
例文と解説
I asked out of curiosity.
私は好奇心から尋ねました。
→ この文では、「out of curiosity(好奇心から)」という表現が使われています。つまり、質問をした理由が「好奇心」によるものであることを示しています。
She did it out of spite.
彼女は嫌がらせのためにそれをした。
→ ここでは、「out of spite(嫌がらせのために)」という表現が使われています。嫌がらせという感情が彼女の行動の理由であったことを表しています。
補足:この「out of」はどんな言葉とよく組み合わさる?
この「out of」は、理由や動機を説明するために使われる語句と非常に頻繁に結びつきます。特に感情や動機を表す名詞やフレーズと組み合わせることが一般的です。以下のような組み合わせがよく見られます。
- out of love(愛から)
- out of kindness(親切心から)
- out of fear(恐れから)
- out of necessity(必要性から)
- out of anger(怒りから)
- out of respect(尊敬から)
- out of envy(嫉妬から)
これらのフレーズは、行動の背後にある感情や意図を明確にし、動機や理由を伝えるために非常に便利です。
最後に
「out of」は多くの使い方があり、その意味や用法に応じて、場所や状態、理由などさまざまな文脈で使われます。これらの使い方をマスターすることで、英語表現がより豊かで正確に、また多様に伝えられるようになるでしょう。
この記事を書いた人

- イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。
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