前置詞contrary toの奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語の前置詞の中でも、少し形式ばった印象がありながらも、意味をしっかり伝える力を持つ表現が「contrary to」です。特に論理的な文やアカデミックな英文で使われることが多く、「〜とは反対に」「〜に反して」という意味で使われます。今回はこの「contrary to」の使い方とその魅力を、例文付きで詳しく解説していきます。
使い方:「〜に反して」「〜とは違って」という意味で意見や期待との対比を示す
前置詞「contrary to」は、「〜に反して」「〜とは違って」という意味で、人々の一般的な意見、期待、信念、印象などと対照的な事実を示すときに使います。特にアカデミックな文章や論理的な議論の中で、意見の転換点や強調ポイントとして使われることが多い表現です。
この前置詞は 「contrary to + 名詞(意見や印象、予測など)」 という形を取り、その後に実際の事実や主張を述べる構造が一般的です。また、主節の中には「not」や「never」など、否定を含む文が続くことが多く、読者に対して「実はそうではない」と強く印象付ける役割を果たします。
例文と解説
Contrary to the impression given by some news reports, global warming is not like a light switch that can be turned off if we simply stop burning so much oil, coal and gas.
一部のニュース報道によって与えられる印象とは異なり、地球温暖化は、単に石油や石炭、ガスの使用をやめればすぐに止まるようなスイッチのようなものではない。
→ この文では、「contrary to the impression」で「その印象とは反対に」と述べ、続く主節で否定形「is not」を使って、誤解を正す形になっています。論理的な議論において非常に効果的な使い方です。
Contrary to popular belief, bats are not blind.
一般的な信念とは異なり、コウモリは盲目ではない。
→ 「contrary to popular belief(一般的な信念に反して)」は、典型的なフレーズの一つで、事実との違いを際立たせる定番の構文です。
Contrary to expectations, the team did not win the match.
期待に反して、そのチームは試合に勝てなかった。
→ 「contrary to expectations」は、予想や予期と異なる結果を示すのによく使われる表現です。特にスポーツやビジネスの文脈で頻出します。
Contrary to what many people think, sharks are not mindless killers.
多くの人が考えていることとは違い、サメは無分別な殺し屋ではない。
→ 「contrary to what many people think」は、特定の「思い込み」に対して反論する形として、会話でもエッセイでも非常に効果的です。
補足:この「contrary to」はどんな言葉とよく組み合わさる?
「contrary to」は、「belief(信念)」「expectation(期待)」「impression(印象)」「prediction(予測)」など、人の主観や予想、印象に関する名詞と非常に相性が良いです。以下に、よくあるパターンをいくつか挙げます。
- contrary to popular belief(一般的な信念に反して)
- contrary to expectations(期待に反して)
- contrary to what was predicted(予測とは違って)
- contrary to appearances(見た目とは違って)
- contrary to what people think(人々が考えることとは違って)
これらのフレーズを使えば、前置詞としてのcontrary toを、説得力のある議論や意見表明の冒頭に自然に組み込むことができます。特に英作文やスピーチ、エッセイの導入部などで重宝される表現です。
まとめ
「contrary to」は、「〜に反して」「〜とは異なり」といった意味を持つフォーマルな前置詞であり、英語の文章で意見の転換や反論、修正を伝えるときに非常に役立ちます。
- 意味:〜に反して、〜とは違って
- 用法:contrary to + belief/impression/expectationなどの名詞
- 特徴:後続の文に否定表現(not, neverなど)が使われやすい
- 主な場面:アカデミックライティング、論理的エッセイ、説得文など
この表現をマスターすることで、英語での主張や論理展開がより洗練されたものになります。特に中級から上級レベルの英語学習者にとって、ぜひ活用してほしい前置詞です。
この記事を書いた人

- イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。