前置詞downの奥深き世界を徹底解説!前置詞の世界を分析しようシリーズ

英語の前置詞「down」は、日常会話からビジネス、アカデミックな文章に至るまで非常に多用される語です。その多彩な使い方を理解することで、英語表現の幅が格段に広がります。本記事では、「down」の基本的な用法と代表的なフレーズ、そしてそれぞれの使い方を具体例と共に丁寧に解説していきます。
使い方1:高い場所から低い場所への移動を表す
「down」は基本的に「上から下へ」という動きを示す前置詞です。物理的に高い場所から低い場所へ移動する時に使われ、視覚的にも分かりやすいのが特徴です。この用法は、最も基本的で多くの英語学習者が最初に出会う「down」の使い方です。
特に、山や坂、壁、身体の一部など、明確な「高低差」が存在する対象とともに使われることが多く、視覚的なイメージをともなう表現であるため、会話でも文章でもよく登場します。
例文と解説
The stone rolled down the hill.
その石は丘を転がり落ちた。
→ 高い丘の上から低い場所へ転がるという動きが、「down」で表現されています。
Tears ran down her face.
彼女の顔を涙が流れ落ちた。
→ 涙が目元から顎や頬へと下に流れる様子が示されています。
Her hair hung down her back to her waist.
彼女の髪は背中を伝って腰まで垂れていた。
→ 髪が高い位置(頭)から低い位置(腰)まで落ちる様子を示しています。
補足:この「down」はどんな言葉とよく組み合わさる?
- down the hill(丘を下って)
- down the stairs(階段を下って)
- down the wall(壁を伝って)
- down her face(顔を伝って)
これらの組み合わせは、上から下への明確な方向性を表す際によく使用されます。
使い方2:視点方向に沿った移動(通りや川など)
「down」は、話者が向いている方向に沿って移動するニュアンスでも使われます。特に、通り(street)、道(road)、川(river)などの長い物体やルートを移動する場合に、方向性を伝える表現として用いられます。
この用法では「下に」よりも、「先の方へ」「進行方向へ」といった意味合いが強くなり、文脈により「向こうの方」や「奥に」という訳が自然になる場合もあります。
例文と解説
He lives just down the street.
彼は通りのすぐ先に住んでいる。
→ 「down the street」は「通りの先の方」といった意味で、話者が向いている方向を基準にしています。
Go down the road till you reach the traffic lights.
信号までその道を進んでください。
→ 道に沿って進行方向に進む動きを「down」で表しています。
There’s a bridge a mile down the river from here.
ここから1マイル下流に橋があります。
→ 「down the river」は「川の流れに沿って下流方向に」という意味になります。
補足:この「down」はどんな言葉とよく組み合わさる?
- down the street(通りの先)
- down the road(道の先)
- down the river(川の下流)
- down the track(線路の先)
移動や場所の説明に非常に便利な表現で、地図や道案内の会話で特によく登場します。
使い方3:時間の流れを通して(歴史的な流れなど)
「down」は物理的な方向だけでなく、時間の流れの中でも使われます。この使い方では、「〜の時代を通して」や「〜の歴史の中で」といった意味で、長い年月を指し示す場合に使われます。
文語的・詩的な表現にも多く登場し、特に歴史や伝統に関する文脈でよく見られます。
例文と解説
An exhibition of costumes down the ages.
歴史を通じた衣装の展示。
→ 「down the ages」は「時代を通じて」という表現で、過去から現在にかけての長い期間を示しています。
Stories of love and war down the centuries.
何世紀にもわたる愛と戦争の物語。
→ 「down the centuries」も同様に、時代の流れを下るように長い期間を示す比喩的な表現です。
補足:この「down」はどんな言葉とよく組み合わさる?
- down the ages(時代を通じて)
- down the centuries(何世紀にもわたって)
- down the years(年を重ねて)
- down history(歴史を通じて)
特にアカデミックな文脈やナレーション、歴史的な記述でよく使用される表現です。
まとめ
前置詞「down」は、単に「下へ」を意味するだけではなく、「進行方向への移動」「時間の流れ」など、多様な意味を持つ重要な語です。特に以下のように使い方を押さえておくと、英語表現力が格段にアップします。
- 高い場所から低い場所への移動(down the hill, down her face)
- 視線・進行方向に沿った移動(down the street, down the river)
- 時間の流れを通して(down the ages, down the centuries)
これらの表現は英語ネイティブが日常的に使う自然な言い回しであり、英会話・ライティング・読解のいずれにおいても非常に役立つものです。ぜひ例文と共に覚えて、英語の幅を広げていきましょう。
この記事を書いた人

- イギリス人で英語と日本語のバイリンガルです!言語が大好きなので、毎日日本語を勉強しています。日本人があまり知らないネイティブ表現を紹介できれば嬉しいです。